早期留学をする小中高校生は、毎年1万5000人を超える。リスク負担を抱えてまで留学を決心させる決定的な動機は「英語」だ。今年のソウル大新入生のうち、高級英語が受講できる実力を持っている学生は27%だった。小学校4年、中高校6年にわたる韓国の英語教育は、依然として充実していないという話だ。子供が成人する頃には、英語が生存の必須条件になっているだろうという事実は、多くの学父母が知っている。それゆえ、早期留学は英語をしっかり習得させようとする、学父母の念願の産物だ。
◆英語教育がうまく行かない理由の一つが「不良教科書」という分析が出た。ハンナラ党の李周浩(イ・ジュホ)議員によれば、高校の英語検定教科書のうち、5種をよく調べた結果、30ヵ所余りのミスが見つかった。もっと大きな問題は韓国式の英語表現。すなわち「コングリッシュ」が多く、不自然な英語を教えている点だと言う。
◆高校の英語教科書は15種類だ。悪い教科書をチェックする競争の枠組みは整っているように見える。しかし、裏面には談合システムがある。本をよく作ろうが、そうでなかろうが、出版社に入る純利益は同じなのだ。先進国では教科書作製に特に多くの金をかけ、他の種類の本より華麗で充実したものにする。教科書を最高の本として作り、学生が自ら教科書に関心を持つようにするのだ。一方、韓国の英語教科書は安値製造で談合の対象にまでなり、英語教育の一軸が崩れているわけだ。
◆米国にいる同胞たちは最近、子供たちに韓国語を熱心に教えているという話だ。以前は、米国社会に適応して生きていくために、韓国語を使わないようにした彼らだった。考え方が変ってきたのは、英語だけ上手では、韓国係として米国社会で成功する確率が低いからだ。英語と韓国語が上手な場合、生活競争でもそれだけ有利だ。私たちも英語と韓国語が共に上手な人才を育てなければならない。これが韓国人の活路であり、言語教育の方向だ。国内教育だけで英語が完璧にできるなら、早期留学は減るだろう。英語教育の刷新は、それゆえ切実だ。
洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com






