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[オピニオン]ハインズ・ウォード

Posted February. 08, 2006 04:30,   

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旧正月の先月29日夕方。あるラジオ放送の帰省特集のバラエティ番組に、黒人混血歌手の朴一逷(パク・イルジュン)氏が登場した。芸能人たちがゲームをし、歌をうたう番組だったが、進行役の歌手、金興国(キム・フングク)氏がふざけて、朴氏に「顔を洗ったか」と2度も聞くのを耳にした。普段から仲がいいようで、朴氏は笑って聞き流したが、先進国では想像もできないことだ。電波放送で肌の色を笑いのネタにするとは、人種差別主義者と言われても仕方がない。

◆統計庁によると、00年に1万2319件だった韓国人と外国人の結婚件数は、04年には3万5447件と大きく増加した。以前は、在韓米軍と韓国人女性の結婚が多かったが、最近は、朝鮮族や東南アジアの女性と韓国の農漁村の男性との結婚が増えている。彼らの間に生まれた混血児も増えているが、芸能界やスポーツ分野を除けば、大きく成功した人は見当たらない。韓国社会特有の閉鎖的純血主義が、教育や就職の障害になるためだ。

◆多人種社会の米国の混血人口は、00年現在で全人口2億8140万人のうち2.6%の約730万人だ。両親のうち一方がアジア系のケースは38万人、アジア系と黒人の間に生まれた子どもは約10万人だ。先月、訪韓したレイン・エバンス下院議員は、韓国、ラオス、ベトナム、カンボジア、タイ人女性と米国人男性との間に生まれた子どもたちに、永住権だけでなく市民権まで与える法の制定を推進している。差別改善のためである。

◆ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の王座決定戦であるスーパーボウルで、最優秀選手(MVP)に選ばれたピッツバーグ・スティーラーズのハインズ・ウォードは、母親が韓国人だ。差別と逆境を克服し、米国社会の「英雄」になったが、彼が韓国で成長していたら、そのような成功を手にすることができただろうか。おそらく難しいだろう。排他的なうえ、地域、学校、家柄など、あらゆる因縁に縛られた韓国で、技量を十分に発揮できるだろうか。韓国社会も、各分野で「韓国版ハインズ」がたくさん出るように、開かれなければならない。

韓起興(ハン・キフン)論説委員 eligius@donga.com