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[オピニオン]「超過権力」

Posted February. 04, 2006 04:35,   

権力を定義づけるうえで昔も今も、力・支配・服従という単語は欠かせない。マックス・ウェーバーは、「他人の力に逆らって自分の意志を貫徹できる能力」と言った。バートランド・ラッセルは、「意図した効果をつくりあげる力」という表現で、想像力を刺激した。いずれにせよ、「権力=強制で服従させる力」という辞書的な意味と通じている。

◆大統領府が検察に対して、「超過権力」という言葉を取り出した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は一昨日、このように言った。「実際、(検察は)政治家の口座をすべて調べる。私に後援金を払った人を捕まえて…。(検察は)自分の口座は見せない唯一の組職だ」。金鍾民(キム・ジョンミン)大統領国政広報秘書官は、親切にも注釈をつけた。大統領は、就任後、超過権力をすべて投げ出したが、検察には超過権力が残っているという意味だと。

◆盧大統領は、与党さえも強く拒否した「柳時敏(ユ・シミン)保健福祉部長官」を推した。「今は封建王朝時代か」という反応まで示した。02年の大統領選挙の時、不法政治資金を集めて刑務所に送られた李相洙(イ・サンス)前議員に対しては恩赦での復権を急ぎ、国会議員の再選挙に出馬させ、落選すると労働部長官に任命した。昨年の下半期以降、盧大統領のコード人事、地縁人事、報恩人事はさらに露骨になった。人事を戦利品を獲るかのように行なっているかの様相だ。にもかかわらず盧大統領は、「これでは、大統領をやってられないという危機感を感じる」とまで言った。本末転倒なレトリックだ。

◆いくら「国民から委任された権力」を握っている大統領でも、人事権と恩赦権を強引に行使したり濫用したりすれば、超過権力になる。任期がある制限的な権力が、身の程を知らず歴史を一方的に裁こうとすることも超過権力的な現象だ。一方、検察が大統領に後援金を払った人を(犯法事実がある時に正常な法執行の次元で)捕まえることは、超過権力の行使と見ることはできない。大統領府は、「超過権力」の問題においても自己省察が足りないようだ。

宋大根(ソン・デグン)論説委員 dksong@donga.com