
宋恵教(ソン・ヘギョ、23)が、「いよいよ」スクリーンに出る。『オールイン』『日光降り注ぐ』『フルハウス』などのテレビドラマを通じて最高の人気と知名度を享受する彼女。忠武路(チュンムロ、ソウルの映画街)の多くのラブコールにも応じなかった彼女が、『波浪注意報』(監督チョン・ユンス)で、デビュー10年目にして映画デビューを果たす。22日に封切られるこの映画は、日本映画『世の中の中心で愛を叫ぶ』のリメーク版。海辺の風光を背景に10代の美しい初恋とせつない別れを描いたメロドラマだ。6日、宋恵教に会った。
●22日封切り「波浪注意報」で初恋を熱演
——唇が厚くてかわいいですね。
「幼いころ、母は私の唇が気に入らなかったようです。『クンタキンテ』のように厚いからって。写真を撮るとき、いつも唇をこんなに(唇を縮めて)力を入れて撮りなさいって言ったんです。そうしないと、軽く見られるからって(笑)。ところが、私が(俳優)活動を始めてからは、化粧品モデルをいっぱいしたからでしょうか、私がドラマに口紅を塗って出ると、それが後でよく売れるんだそうです。人々がきれいだ、きれいだと言えば、本当に『わたしの唇、きれいなのかな』と思うでしょう。今は、母も唇について何にも言いません(笑)」
——デビュー10年目で映画というのは、どうしてですか。
「『秋の童話』放送後に、反応もよかったし、映画のシナリオもたくさんもらったんです。でも、映画に跳びこむには、恋について感覚的によくわからない年齢でした。恋がわからないのに、恋をまねた演技をしたくなかったんです。やっと時が来たんです」
——最近経験した(俳優イ・ビョンホンとの)恋と別れの思い出が映画を選択するきっかけになったんですか。
「本当に大きな恋を通じて、恋愛の感情も、痛みもわかるようになりました。せつない恋だったし、せつない思い出ですけど、演技者としてそういう感情を経験できたことをありがたく思います。わたしと同じ年齢の俳優たちがあまり持ってない感情を、一つ多く持てるようになったんですから。女優としてはいいことですけど‥‥個人的にはつらいことですね」
——テレビドラマと比べて、映画の撮影はいかがですか。
「わたしは、目鼻だちが小さい方ではないので、ちょっとの動きでも、大きなスクリーンでは『オーバー』な演技に見えるんです。表情とジェスチャーを減らして、抑制するのが大変でしたね」
——監督が、恵教さんを「初恋のイメージを持っている」と評していました。
「よくわかりません。わたしは男性より女性の方に人気があるんです。ファンもほとんど女性ですし」
——それは、猫をかぶらないからでしょう。
「わたしも女ですから、(猫をかぶるような)場があればそうするでしょうけど、ふだんは大ざっぱです。チャ・テヒョンさんが『私の右腕になりなさい』と言うぐらいですから(笑)」
——ひょっとして、小悪魔的な面もあるんじゃないですか。
「周囲で『サイコ(精神異常者)』役を一度やってみたらと言うんです。意外と似合いそうだとか。たとえば『親切なクムジャさん』のように冷ややかな人物です。以前は、利害とかあまり考えなかったんです。でも、最近は、いつも私に帰ってくる利害のようなことをいつのまにか考えてるんですよ。たった数年前でも、そんなことなかったのに…。ますます性格が悪くなっているんじゃないかと思うと心配です」
●かわいい女より「妙な女」になりたいです
——かわいいんですか、きれいなんですか?傲慢なんですか、セクシーなんですか?
「みんなは、まだかわいいイメージを思い浮かべるでしょうね。だけど、わたしは「妙な女」と言われたいです。『あの子、ちょっとどこか妙』、こんな感じです」
——ある写真作家が「身長は高くないが、体つきの割合が絶妙だ」と言ってました。
「それは『身長は低いが、脚は意外と長い』って意味ですか?あはは」
——ドラマで、最高の男性スターたちとパートナーを組んでいましたが。
「ソン・スンホンさんはあたたかい俳優さんです。ウォン・ビンさんは人見知りの激しい方で、親しくはなかったけど、本当にやさしい俳優さんです。わたしは、『秋の童話』のなかのウォン・ビンさんのような男性が好きです。一人の女性しか知らずに、その女性にすべてを捧げるところが。リュ・スンボムさんは演技派で、カラーがいろいろで、これって言えません(笑)。チョン・ジフン(歌手・ビー)さんは本当に一生懸命な俳優さんです。イ・ビョンホンさんは基本的に演技がとてもお上手だから…完璧な俳優?」
——チャ・テヒョンさんとは初めてパートナーになりましたけど、どっちが損をしたと思いますか。
「(笑)テヒョンさんとわたしは、相手の俳優を引き立たせながら、自分もいっしょに引き出す俳優という点で、お互いに似てます」
——映画の中に、二人のキスシーンはありますか。
「ライトなやつと、ディープなやつの、中間くらいです。ふふふ」
インタビューが終わって彼女と別れるとき、記者の胸の中にも『波浪注意報』が鳴っていた。
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