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[オピニオン]韓国軍捕虜と大統領の書き込み

[オピニオン]韓国軍捕虜と大統領の書き込み

Posted December. 07, 2005 08:36,   

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「ひどく殴られ、体調も悪く大変だ。しかし、韓国のお姉さんの健康がもっと心配だ」。韓国軍捕虜のハン・マンテク(72)さんが3月に韓国の甥と電話で話した内容だ。ハンさんは昨年末、北朝鮮を脱出したが、中国公安に捕まえられ、北朝鮮に帰された。電話のハンさんは北朝鮮に帰され、自分もひどい拷問に遭っていながら、自分のことより韓国と北朝鮮にいる家族を先に案じた。一昨日、この内容を公開した拉北者家族会(代表:崔ソンヨン)によると、ハンさんは4月に平安南道・北倉郡(ピョンアンナムド・プクチャングン)の政治収容所に送られた。

◆韓国にいるハンさんの家族と拉北者家族会の崔代表は、これまでハンさんの韓国帰還のため出来る限りのことを尽くしてきたという。彼らは今年初めに大統領府を訪れ、政府がハンさんに与えた花郎武功勲章を返した。何も動いてくれない政府に対し、抗議の意を示したものだ。崔代表は「4月にハンさんの手紙や写真、肉声の録音テープを手に入れ、10月末統一部長官に面談を求めたが、無視された」と話した。わかっている人数だけで500を越える、北朝鮮に生存している韓国軍捕虜の家族にとってこの政府はいったいどんな存在だろう。

◆事あるごとにインターネットに書き込みをする盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が、真っ先に恨みの対象になるはずだ。盧大統領は数日前も国政ブリーフィングのサイトに載った海洋水産部の記事について2回書き込みをした。釜山チャガルチ市場の現代化への取り組みや「港湾労働力供給システムの見直しのための支援特別法」に関する記事だった。韓国軍捕虜の家族としては、「大統領は韓国軍捕虜の無念の思いより、チャガルチ市場の現代化を重要視する」と考えられて仕方ないだろう。

◆盧大統領は就任前に米CNN放送とのインタビューで、「北朝鮮の人権弾圧や北朝鮮住民の苦痛は金正日(キム・ジョンイル)総書記にその責任がある」という考えを示した。あの時のあの考えはどうなったのかと聞きたい。明日から米政府が予算を支援する北朝鮮人権国際大会がソウルで開幕する。韓国を訪問中のワイツゼッカー元ドイツ大統領は、「北朝鮮の人権問題は提起されるたびに言及しなければならない」と助言した。自国民である韓国軍捕虜にも背を向けている政府は、この助言を厳しく受け止めなければならない。13日から開催する第17回南北長官級会談では少なくともハンさんの韓国帰還を取り付けてもらいたい。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com