韓国産淡水養殖漁種であるマスとカガミゴイから、発癌性物質である「マラカイトグリーン」が検出された。
マラカイトグリーンはこれまで中国産輸入水産物から検出されたことはあったが、韓国産から検出されたのは今回が初めてだ。
これによって、他の養殖水産物の安全に対しても、赤信号が灯った。関連水産業界にも打撃が懸念される。
海洋水産部(海洋部)は6日、9月15日から10月3日まで韓国の296カ所のマス養殖場のうち65カ所を調べた結果、35カ所でマラカイトグリーンが検出されたと発表した。また、同じ期間に、全国140カ所のカガミゴイ養殖場のうち2カ所を調査したが、1カ所でマラカイトグリーンが検出されたという。
これによって、海洋部は5日、全国436カ所のマスおよびカガミゴイ養殖場に対し、出荷を中断させた。
マラカイトグリーンは殺菌剤や染色剤などで使われる化学物質で、1990年代初め、発癌性物質ということが明らかになり、食用には使用が禁じられている。
食品医薬品安全庁(食薬庁)も、市中に流通しているマスとカガミゴイを集めて検査することにし、マラカイトグリーンが検出されれば流通を禁止する計画だ。食薬庁はまず、検査結果が出るまでは流通と販売を中断するよう、関連業者に要請した。
海洋部は、国立水産物品質検疫院など関係機関と共同で、来月5日まで、マスとカガミゴイの他、ドジョウ、ウナギ、ナマズ、コイなど七つの淡水養殖漁種に対し、マラカイトグリーンの検査を実施する計画だ。
韓国産養殖漁種でも発癌性物質が検出されたことから、水産物衛生に穴が空いてるとの批判が出ている。
政府は7月、中国産水産物からマラカイトグリーンが検出された後、韓国産は安全という主張ばかりを繰り返してきた。
海洋部は当時「韓国には20年前から、マラカイトグリーンを使用しないでいる」と主張し、8月以後、七つの淡水養殖漁種に対する調査でも同物質が検出されなかったと発表した。
消費者団体らは8月4日から9月4日まで実施された3回の調査が、全国2923カ所の養殖場のうち約10カ所にとどまり、調査が行き届いてないと指摘した。
消費者問題を研究する市民の会の金慈惠(キム・ジャヘ)事務総長は「中国産からマラカイトグリーンが検出された時、政府が全体養殖場を対象に調査をするべきだった」と言い、政府の対応が遅れたことを批判した。
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