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[社説]油田疑惑、問題は金前次官の背後だ

[社説]油田疑惑、問題は金前次官の背後だ

Posted May. 12, 2005 23:21,   

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前建設交通部次官の金世浩(キム・セホ)氏が、鉄道庁(現韓国鉄道工事)のロシア油田開発事業を実務的に指揮監督したことが明らかになり、背任の疑いで拘束された。検察は、金氏が鉄道庁長を務めていた去年8月、事業開発本部長(当時)の王煐龍(ワン・ヨンヨン)氏に油田事業の推進現況を大統領府に報告するよう指示し、直接李煕範(イ・ヒボム)産業資源部長官を尋ねて協調を要請したことを明らかにした。金氏は、また王氏と一緒にウリィ銀行の役員たちに会って、油田事業資金の迅速な融資を働きかけた疑いももたれている。

金氏は、これまで「本部長として無理に推し進めた事業」と言いながら、自分が関与した事実を強く否定してきた。しかし、鉄道庁が油田事業を行うための鉄道交通振興財団の定款変更など、数々の変則と手続き的な欠点は、いずれも金氏の指示によるものというのが検察の判断だ。

抜け目のない公務員で知られる金氏が、油田事業に無理をして飛び込んだ背景には、相応の理由があったはずだ。まず検察の調べで、大統領府、国家安全保障会議(NSC)、建設交通部、統一部、産業資源部などの省庁が油田事業に関与した可能性を示唆する鉄道庁の内部資料が見つかった。油田事業が政府を挙げてのプロジェクトとして進められたとみられる所以だ。

与党の実力者の役割も関心事だ。油田開発合作会社である前韓国クルードオイル(KOC)代表の全大月(チョン・デウォル)氏が、ヨルリン・ウリ党の李光宰(イ・グァンジェ)議員の側近に8000万ウォンを渡した事実が明らかになっている。李議員は、検察の捜査が始まると海外で逃避したホ・ムンソク氏を全氏に紹介している。李議員は、自分の後援会長である李基明(イ・ギミョン)氏を通じてホ氏に知りあったという。李議員と李基明氏は盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の側近中の側近だ。

この事件に対する監査院の監査が「見逃し調査」で終わったことも、背後の存在と無関係ではないとみている。監査院は、油田事業の行政手続上の過ちだけを指摘し、李議員に関しては捜査依頼もしなかった。そればかりか、李議員を取り巻く疑惑について、事務総長が直接釈明をしたが、その理由が気になる。

検察は今回の事件を徹底的に捜査しなければならない。その対象が誰であろうと、法律に沿って捜査し、処罰するのが検察の任務だ。それを「制度以上の権力」と言う国民は誰もいない。