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「あっ、辛い…」 辛い料理の健康学

Posted March. 20, 2005 23:03,   

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昨年から起こった辛い料理への人気は、なかなか冷めない。

飲食店は、辛さ倍増の新しいメニューを争って出している。とり肉を辛く料理した「プルタク」は、依然として最高の人気。ファーストフード業界も辛いハンバーガーやチキンなど、新商品を相次いで開発した。

辛い料理はさらに辛く。ソウル鍾路区武橋洞(チョンログ・ムギョドン)一帯のいわゆる「たこ通り」には、「もっと辛い」たこ料理を楽しむ人々で盛況だ。あまりの辛さに、ある人は「人間が食べられるのか」とまで言うが、マニアの足は途絶えることがない。

辛い食べ物は、汗をかきながら食べるので、ストレスがさっと解消するような感じがする。頭もさっぱりするようだ。

しかし、しばしば問題が生じる。多くの人が、辛い料理を食べた後で胃が痛くなり、数日間後遺症に苦しむ。一晩中お腹を抱えて、トイレに行ったり来たりする。

心配は他にもある。辛い料理を長期にわたって食べると胃腸や肝臓に良くないと言う…。これは事実だろうか。

▲痛む腸〓胃炎、潰瘍(かいよう)にかかるという話は根拠がなく、結論から言えば、それほど心配しなくてもいい。

舌にある味覚細胞は、甘い、塩辛い、酸っぱい、苦いの4つの味を感知する。辛さは感じない。辛さは痛さを感じる「痛覚細胞」が担当する。易しく言えば、人間の脳は辛さは味でなく、痛さとして認識するということだ。

他の味は問題ないのに、特に辛い食べ物が腸が反応するのもこのためだ。痛覚細胞が「痛さ」の信号を大脳に送れば、脳は「早く痛みを取り除け」という命令を下す。命令を受けた胃や腸は、激しく収縮と弛緩を繰り返す。それで胃腸が痛くなるのだ。

辛さの原因である唐辛子の「カプサイシン」、ニンニクの「アリシン」成分は、2、3日で体内から消える。痛さの原因が消えるので、胃と腸の痛みも解消される。これらの成分が体内に残って問題を起こすことはない。

辛い食べ物が炎症や潰瘍の原因になるという報告はいまだない。医者も、「鉄を溶かすという胃酸にもびくともしない胃の粘膜が、辛さの成分で損傷するはずがない」と言う。したがって、辛い料理をたくさん食べて、胃炎や胃がんになるという話は誤りだ。むしろ、カプサイシンは炎症をしずめ、アリシンは殺菌作用があると知られている。

▲こんな人は注意を〓胃腸の弱い人は辛い食べ物を避けて。

だからといって、すべての人に辛い料理がいいというわけではない。

特に普段から消化機能が低下するなど、胃や腸の弱っている人は、辛い料理は避けたほうがいい。この場合、辛い料理を食べれば、胃酸が過度に分泌される恐れがある。辛い料理が胃腸病の直接の原因ではないが、危険因子になり得るという話だ。

実際に、胃腸の機能が低下した人が辛い料理を食べた直後、急性胃炎で救急車で運ばれるというケースも少なくない。このような人が辛い料理を好めば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、さらに大きな病気につながる可能性を完全に排除することはできない。

高血圧の患者も辛い料理は控えたほうがいい。辛さそのものが血圧を高めることはない。しかし、大半の辛い料理が、塩や砂糖をたくさん使うので、結果的に血圧を高める。

●辛さをなくす法…温かいご飯やパンをしばらくかんで飲み込めば効果的。

辛い唐辛子を食べた時、人は水を飲む。しかし、そうしたからといって辛さが消えるわけではない。

脳は、辛さを痛さと認識する。したがって味で対応するのではなく、痛さを緩和する措置を取らなければならない。このような時は、温かいご飯やパンをしばらくかんで飲み込むのがいい。温かい感覚が痛さを和らげ、炭水化物がカプサイシン成分を分解するからだ。牛乳やヨーグルトもいい。これに含まれているたんぱく質もカプサイシンを分解する。

(アドバイス=ソウル峨山病院消火器内科のチョン・フニヨン教授、三星ソウル病院消火器内科の李ジュンヘン教授)



金相勳 corekim@donga.com