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[オピニオン]ドイツ大統領の涙

Posted February. 04, 2005 22:48,   

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米大統領の新年の一般教書演説は、うまく組まれた脚本によって演出されたドラマのように進行される。新しい政策と華やかな修辞に「助演俳優」まで登場して効果を極大化する。2日、ブッシュ大統領の演説も、劇化された米国政治をよく表した作品だった。米議事堂で45秒に1度の割合で拍手が起こり、謹厳な上下院議員たちが何と67回も舞台上のブッシュ大統領に起立拍手を送った。

◆今年の演説のハイライトは、イラク人女性と米軍戦死者の両親が飾った。ブッシュ大統領は、劇的効果を狙って、フセイン政権時代に父親を失ったイラク人女性と昨年イラクで死亡した兵士の両親を紹介することを演説末尾に添えた。自由を求めたイラク人とイラクのために息子を捧げた米国人の出会い。抱き合った3人の目から涙が流れ、上下院議員たちは拍手し歓呼した。外国のテレビ視聴者であっても、自由と愛国を考えない道理がない場面だった。

◆ドイツのケーラー大統領も同日、他国の野次馬まで感動させる涙を流した。ドイツとイスラエル国交樹立40周年を迎え、イスラエル議会を訪れたケーラー大統領は、ナチス時代にドイツ人がユダヤ人に犯した犯罪を反省して、許しを請いながら目頭を熱くした。演説文に書かれた懺悔の言葉に感情を吹き込む涙だった。「ドイツの過去の犯罪を決して忘れず、心にしっかり刻み込もうと努力する」という彼の決心を「政治的発言」と誰が過小評価できるだろうか。

◆ドイツ人たちの懺悔はその一貫性によってさらに意味が大きい。過去はもとより、今も多くのドイツ指導者が機会ある度に過ちを反省して許しを請う。ドイツとイスラエルと同じく、韓国と日本も今年国交正常化40周年を迎えた。日本の指導者たちは、ケーラー大統領の涙を見てどのように考えただろうか。ドイツのワイツゼッカー元大統領は「過去から目をそむける者は、現在においても盲人になるしかない」と言っていたが…。

方炯南(バン・ヒョンナム)論説委員hnbhang@donga.com