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主演は天国にいらっしゃる先生です

Posted November. 22, 2004 23:33,   

한국어

「先生、この公演をあなたに捧げます。」

初冬の寒さを忘れさせ、心温まる演劇が1編、舞台に上がる。

昨年、肺がんでこの世を去った韓国演劇界の巨頭、劇作家の故・李根三(イ・グンサム)氏の一周忌(28日)を控え、故人が携わった西江(ソガン)大で、弟子たちが追慕演劇を準備した。

25〜28日、西江大マリーホールで無料公演される『流浪劇団』は、弟子である金ヨンス教授(新聞放送学)が演出を受け持ち、新聞放送学科の学生たちと言論大学院の公演専攻大学院生など35人が、俳優やスタッフとして出演する作品だ。

18日午後9時、マリーホールを尋ねた時、彼らは練習に余念がなかった。

声優や演劇企画者の含まれた公演専攻大学院生の一部を除いては、生まれて初めて演劇舞台に立つ学生たちが大半。せりふを言う声は素人っぽく不自然で、動作も下手だった。しかし、まる1カ月、放課後の時間と週末、練習に練習を繰り返してきた彼らの真摯な目つきと熱情は、どんな専門俳優にも劣らないものだった。

金教授は、「先生は生前、100編あまりの戯曲を残し、貧しい演劇と演劇人に対する愛情は特に深かった。追慕作には韓国演劇の現実を見せてくれる『流浪劇団』が一番ふさわしいと思ってこれに決めた」と話した。

金教授が校内に追慕公演参加者募集公告を出したのは9月初め。参加者35人のうち、故人から直接教わった弟子は金教授だけだ。故人の作品を通じて間接的に演劇を学んだ学生たちが一人二人集まって来た。チャン・ソジョン氏(20・新聞放送学科2年)は、「先生には直接学ばなかったが、韓国演劇に大きな足跡を残した方の追慕公演に参加するは光栄だ」と言った。

製作費は1000万ウォン。故人を記憶する同窓たちに十匙一飯のお願いをし、学生たちが自ら700万ウォンあまりを集めた。大学では新たに改装したマリーホールを使わせてくれた。

「…演劇の夢を車に積んで前に進みました。山を越え川を渡り目標に向けて転がり、力が足りなければ這って行っても、夢が積まれた車を逃したことはありませんでした。これがまさに我が演劇の人生だったのです。」

故人に捧げる献詞のような最後のせりふとともに練習が終わった。俳優たちが一人ずつ舞台に出てあいさつをした。しかし、真ん中の主演俳優の席は空いていた。瞬間、俳優たちが一斉に後を振り返りながら、手を舞台奥のスクリーンに向けた。俳優たちの拍手の中でスクリーンいっぱい、故人の笑う姿が現われた。

木曜午後7時半、金曜・土曜午後3時、7時半、日曜午後3時。011−9891−0126



康秀珍 sjkang@donga.com