憲法は、制定権者である国民が、国家社会の共存のために必要な規範として合意した国家の最高法である。憲法に盛り込まれた国家統治構造と社会統合のための価値秩序は、一般の法律に優先して尊重されなければならないわけである。無理な法律によって社会統合が毀損される危険性が高い時であればあるほど、憲法は国の根本規範として、その機能を忠実に果たさなければならない。
世界のすべての民主国家が、立法権に対する合憲性の統制を行なう憲法裁判所あるいは最高裁判所を置いている。憲法裁判所は、大統領と議会権力の過剰行使や「実定法独裁」を阻止する最後の砦として機能する憲法機関である。
憲法裁で、新行政首都建設特別法の違憲決定が出て以降、政権側では「憲法裁解散論」、「憲法裁交代論」が流れた。国会で過半数の議席を占めた与党が作成した4つの争点法案のうち、言論関係法、私立学校法は明白に違憲的要素を有している。にもかかわらず、立法を推進する与党の一部議員は、憲法裁を「改革立法の足かせ」と見る卑下発言を何のためらいもなく吐いている。ひと言で言って、憲法の危機と言わざるを得ない。
このような憲法の危機に、首都移転の違憲決定を導き出した李石淵(イ・ソクヨン)弁護士を代表とする「憲法フォーラム」の発足は、示唆するところが大きい。「憲法フォーラム」が、国家共同体的な連帯の崩壊を阻止し、信頼と予測可能性という憲法的価値を守る番人になることを期待する。「憲法フォーラム」は発足宣言文で明らかにした通り、政党や政治勢力への傾倒性を見せてはならない。「憲法フォーラム」が特定の政治勢力への偏向に流れたら、国民的共感を得ることは難しい。
憲法は夜の海の燈台のように、韓国社会に正しい方向を提示し、分裂と混乱による共同体の難破を防ぎ止める機能を果たさなければならない。憲法の危機状況で、共同体が合意した社会統合の価値を実現するために、「憲法の燈台守」たちが乗り出さなければならない。憲法の危機は、まさに国の危機である。






