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リチャード・ギアの『シャル・ウィ・ダンス』

リチャード・ギアの『シャル・ウィ・ダンス』

Posted November. 03, 2004 23:04,   

米シカゴに住む中年弁護士のクラーク(リチャード・ギア)は、表向きでは羨ましいことのない人だ。弁護士としての派手な経歴、家族を愛する暖かい妻ベバリー(スーザン・サランドン)、可愛い二人の子供など足りないことがない。電車に乗って会社に通う彼はある日ダンス教室の窓際に立っているダンス講師ポリーナ(ジェニファー・ロペス)に魅せられて、その教室を尋ねる。社交ダンスの初級クラスに登録したクラークはますますダンスの魅力にはまる。

映画『シャル・ウィ・ダンス(shall we dance)』は、日本の周防正行監督の同名映画(1996年)をハリウッドでリメークした作品だ。役所広司が主演した原作は当時、日本アカデミー賞授賞式で13部門を獲得しており、2000年国内封切りでも好評を博した。

「ハリウッド版」は比較的充実に原作を描いた。サラリーマンから弁護士に男性主人公の職業が変わって、妻との葛藤や仲直りなど家族関係に対する比重が高くなった点を除けばそれほど変わらない。

結論的にリチャード・ギアの『シャル・ウィ・ダンス』は目の高さによって評価が変わることもある作品だ。役所の作品を見ていないならそれだけでも十分面白い。しかし、原作とリメーク作のうち、どちらの作品がいいかという優劣の物差しを突きつけるなら、多少がっかり。

何よりハリウッド版はダンスが自然になった反面、ドラマが薄くなった。成功した中年弁護士の人生に垂れ下がった陰は、明暗が明らかではない。自分の生活に没頭する家族構成員の姿と疲れる電車の風景が登場するが、少し描写したぐらいに過ぎない。ダンスに馴れている西洋の雰囲気を勘案すれば、クラークのダンスに対する憧れが妻との葛藤に広がるのもやや無理がある。

ギアの顔は50代(54)にもかかわらず相変わらず魅力的でセクシーだが、映画にリアリティーを吹き入れることはできない。彼がステップを踏んでワルツを踊るか、ばら一輪を持って妻に仲直りのダンスを請ずるとき、見る人の胸はときめく。ところがこの顔は年を取らない王子の姿であって人生にくたびれた中年のそれではない。

ハリウッド版はダンスを素材にしたけれども、ダンス場面で俳優の足首の部分をまともに見せてくれない。絢爛たる足の動きがダンスそのものの魅力であるにもかかわらず、これが見えず息苦しいダンス画面になってしまった。封切りは12日。映画観覧は12歳以上。



金甲植 dunanworld@donga.com