「五つの大きな危険が世界経済を威嚇している」
米国際経済研究所のバーグステン所長は「エコノミスト」紙のコラム(9月9日付け)でこのように警告した。年間1兆ドルに達する米国の経常収支赤字、年間1兆ドル規模の米国の財政赤字、高まる一方の保護貿易主義、過熱した中国経済、そして1バレル当り60〜70ドルになりかねない原油価格の上昇がそれだ。
◆米国の経常収支赤字は現在6000億ドル水準で、毎年1000億ドル以上増加している。商品輸入が輸出より2倍も多く、輸出が輸入より倍以上増加しない限り、赤字は改善されない。しかし、経済回復と原油価格上昇で、むしろ輸入だけ増加し、その結果、すでに2兆5000億ドルに達する対外債務の元利金が雪だるまのように増えていく。米国の政府債務も2010年には5兆ドルを超えるかも知れない。どんな市場が、このようなことに耐えられるだろうか。ドル価値の大幅下落とこれにともなうインフレーション及び利率上昇は時間の問題だ。保護貿易主義は強化され、世界景気は急激に墜落する可能性もある。米国は20%以上ドルを切下げないと、現状維持もできないのはもちろん、利率は理論的には「二桁」にまで上昇する可能性もあるというのが、バーグステンの主張だ。
◆中国は国内総生産(GDP)のほぼ半分を投資し、世界貿易増加の20%を占める巨大な「成長機関車」となった。ところが、その経済政策があまりに不確実であるため、硬着陸をした場合、世界はもう一つのインフレーションと利率上昇の衝撃に見舞われるだろう。原油価格は世界的な需要の増大、精油設備の不足、底をついた在庫、政治的不安など全ての上昇要因が累積されていて、実質価格基準では史上最高を記録する可能性もある。「第2次世界大戦後の3大景気低迷は、全部急激な原油価格の上昇が引き金となった」最近、連邦準備制度理事会のグリーンスパン議長が頻繁に使う言葉だ。
◆外国訪問を終え帰国した盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が、「様々な課題はあるが、経済が最優先だ」という発言をしたそうだ。今回も一過性の発言で終わるのか。超大型ハリケーンが差しせまっているのに理念の戦いで明け暮れている韓国を、世界は幽霊に向かって戦っているドンキホーテのように見ているかも知れない。
金栄奉(キム・ヨンボン)客員論説委員(中央大教授・経済学)kimyb@cau.ac.kr






