ジョーエレン・ディミトリアスが書いた『この人はなぜ自分の話ばかりするのか(Reading People)』は、米国のロング・ベストセラーだ。法廷で被告のために陪審員を選別するコンサルタントのディミトリアス氏は、92年に黒人ロドニー・キングを暴行した白人警察官事件(ロサンゼルス暴動の原因になった)や妻殺害の容疑を受けたアメフト選手OJシンプソン事件で、被告が無罪判決を受けるのに決定的な役割を果たした。ディミトリアス氏によると、人は意識と無意識の倉庫にそれぞれデータ・ベースを持っている。無意識のデータ・ベースから出る判断がまさに「論理的には説明できないが、何かおかしい」という直観だ。
◆人間の6番目の感覚にあたる直観能力は、一般的に女性が男性より優れている。状況を機敏に把握する直観能力は、迅速で適切な対処能力につながる。祖母と母親は子どもが嘘をつくと、祖父や父親よりもすぐに気が付く。女性は幼い頃から他人の心理状態を早く把握するように社会化される。女性は、服装、ヘアスタイル、靴、宝石、外見により関心を持って成長する。母親は話のできない乳児が具合の悪い時、表情と動作だけを見て原因を突き止める訓練を繰り返す。
◆警察官殺害犯の李ハクマン容疑者の検挙過程で、49歳の女性の卓越した危機対処能力に比べれば、警察は「超初心者」だった。女性は、凶器で脅す犯人を安心させ、うどんと果物を与えた。犯人が好意を感じ、言い訳をして訴えるようになった過程は、驚くほど沈着だ。犯人がインターネットをしている間に、掃除機をつけながら息子に携帯電話をかけさせ、警察に連絡するよう指示した対処能力は、感服に値する。騒動を起こして女性とその孫を危険にさらしたのは、むしろ警察だった。
◆女性と幼い孫が人質につかまっているのに、警察はサイレンを鳴らして出動し、玄関のドアをたたいて犯人を当惑させた。女性が素早く風呂場に身を隠さなかったら、犯人は裏切られたという気持ちから、2人を傷つけるか人質にしたかも知れない。命が危険な状況で、犯人の心理状態を読み、安心させ、機敏に警察に通報し、適切に対応した女性から、警察の学ぶ点は多い。49歳の女性の第六感は、教科書にはない理論だ。
黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com






