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[オピニオン]すごい子供たち

Posted August. 05, 2004 21:52,   

溺死事故は夏の招かざる客だ。今年も水遊びを楽しんだ人々が死亡する事故が相次いでいる。溺死事故は一人の不幸に止まらない。息子を救うために水中に跳びこんだ父親さえ死亡して父子が同時に命を失ったり、見ず知らずの人を救おうとして命を失う場合も少なくない。今週だけでも浦項(ポハン)で父親(40)が水に溺れた息子(10)を救った後、気力がつきて死亡し、襄陽(ヤンヤン)では子供を救うために海に跳びこんだ20代の青年が行方不明になった。犠牲者たちがもう少し落ち着いていたら相次ぐ溺死につながらなかった事故が多くて切ない。

◆水遊びをしに行く人々は事故予防策として三日前智異山(チリサン)で行方不明になってから救われたチョン・ヒジェ君(10)の事情を覚えておいた方が良さそうだ。チョン君は41時間も山奥を迷ったが、子供らしくない落ち着いた行動で危機を乗り越えた。チョン君は雨が降り注ぐと「濡れた身で眠れば体温が落ちて危ない」という父親の言葉を思い出して、岩の下で眠らずに夜を明かしたという。それ位の落ち着きなら、水に溺れることもないだろうが、人を救おうとして不幸にあうこともないだろう。

◆警察を笑わせたり泣かせたりした李君(12)も「すごい小学生」だ。3日午後「李ハクマンがインターネットに接続した」と言う情報を手に入れた警察は快哉を叫んだはずだ。警察2人を殺害して逃走した李容疑者を逮捕する決定的な手がかりだったからだ。機動捜査隊400人余りと特攻隊20人余りを動員して、ソウル敦岩洞(トンアムドン)マンション2棟を徹夜で探してから、小学生が李容疑者の住民登録番号を盗用してインターネットに接続したという事実を確認した警察らの表情はどうだっただろうか。あっけなくてむなしい顔をほころばしただろうか、小学生が警察をばかにした情報化を責めただろうか。

◆チョン君も李君も普通の子供ではない。しかし彼らの特別な行動の結果は正反対に現われた。チョン君は親を喜ばせ、大人たちにまで教訓を与えた。今度の経験を通じてチョン君は身と心両方とも成長してもっと大人になるだろう。李君の行動に驚いた大人たちは他人の住民登録番号を盗用した過ちを悟らせなければならない。チョン君に似ている子供たちが増えることを期待する。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com