4日、イラクでまた石油パイプラインを狙ったテロが起こった。主権移譲(6月28日)後初めて起きたパイプライン破壊工作だ。
ロシア警察は同日、ロシアの石油大手ユコスの本社を家宅捜査した。警察がコンピューターサーバーを押収するなど、ユコスの石油生産は中断の危機に瀕した。
一連の突発的な状況は、辛うじて安定を取り戻しつつある国際原油価格に影響を与えると憂慮されている。
▲狙われる「経済生命線」〓イラクでは4日、2件の石油パイプラインへのテロが起きた。狙われたのは、ペルシア湾の原油輸出基地近隣のパイプラインとバグダッド南西80kmのムセイブパイプライン。主権移譲後にも、パイプラインへの破壊が続くことを示唆する事件だ。
フセイン元大統領が追い落とされて以来、イラクでのパイプラインなど石油施設を狙ったテロは65件。一部の単純略奪犯を除けば、フセイン元大統領を追従するスンニ派が、イラクの安定を阻害するために石油施設へのテロを行ったものと推定される。
テロは主に、精油施設と輸出基地に運ぶパイプラインを狙う。北部キルクークと南部バスラでテロが頻発するのはこのためだ。総延長6437kmの石油パイプラインを保護するために、主要地点に人工障壁や監視装備を設置しなければならないという指摘が出るほどだ。
英サンデー・ヘラルド紙は、「今回のテロで、イラクの原油輸出は半分に減った」と指摘した。原油輸出代金に依存する学校、病院などの基盤施設の建設は先延ばしされるしかない。
▲さらなる悪材〓ミハイル・ホドルコフスキー元会長が野党に政治資金を提供した容疑で拘束され、ユコス本社への家宅捜索が、世界の石油市場に及ぼす影響も少なくない。
ユコスが、シベリアでで得る1日の産油量は、リビアの生産量(約160万バーレル)をしのぐ。ユコス側は、「調整装置が押収され、石油生産を調整できない状態だ」と明らかにした。
ユコスの石油生産中断は長期化する可能性もある。ロシアの裁判所はユコスに対し、税金未払い分34億ドル(約4兆ウォン)を7日までに納めるように要求した。そのうえ裁判所は、ユコスの資産を凍結して、税金を払う財源が調達できないようにした。「枯死作戦」に出たのだ。
ユコスに10億ドル(約1兆1500億ウォン)を融資したソシエテ・ゼネラルを始めとする海外債券銀行は、デフォルト(債務不履行)を検討中だと警告した。デフォルト宣言は、債券回収問題を法廷に持ち込むための事前措置と解釈される。
▲不安な油価動向〓6月初めに石油輸出国機構(OPEC)が1日200万バーレルの増産で合意し安定を取り戻した国際原油価格が、また動揺する恐れがある。
6月1日、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は42ドルを突破し、6月末には35ドル台まで下がったが、その後再び上向きに転じた。
英国ダンディ大学のポール・スティーブンス教授は、「今週は国際原油価格の高値が持続するだろう」と見通した。
異鎭 leej@donga.com






