金鮮一(キム・ソンイル)氏のビデオを入手したAP通信が外交通商部(外交部)に金氏の拉致の真偽を確認したという報道で波紋が広がっている。金氏の拉致と殺害に対する真相が解明されたとしても金氏が生きて帰ることはできないが、遅ればせながら在外国民の保護システムを整備して、第2、第3の悲劇を防ぐためには疑惑を究明して何が間違っているかを徹底的に把握しなければならない。
政府が拉致事実を3週間も把握できなかったのも問題だが、APのビデオに対する外交部の対応は理解し難い。APは外交部に金氏の拉致の真偽を問い合わせたが、「拉致された韓国人はいない」という返事を聞いたと報道した。金氏はビデオで人的事項を明らかにし、イラクに来て6ヵ月になるという話までして、政府が確認作業に乗り出していたら、拉致事実を早期に確認することもできたのだろう。
ビデオ波紋が外交部とAP通信の葛藤に飛び火するのも納得できない。AP本社が昨日、「3日、韓国外交部に問い合わせた」と確認しただけに、外交部自らがどの部署の誰が電話に出て、どう対応したかを明らかにするのが筋だろう。
政府のおざなりな対応のため韓米間で不協和音が生じたことも問題だ。金氏の拉致事実は所属会社のカナ貿易の金チョンホ社長が隠したため、遅れて知ったとしよう。「米軍から金氏が拉致されたという話を聞いた」という金社長のウソがどうして、「米国が韓国軍派兵に及ぼす悪影響を考慮して金氏の拉致事実を隠した」という誤解に広がっているのか。政府が速かに対応できなかったため生じた不要な疑惑が韓米関係を損ねている。
外交部は率直に言わなければならない。過ちを認めて責任所在を究明してこそ、同じ過ちが繰り返されない。外交部は政府が迅速に対応していたら悲劇を防ぐこともできたはずと、在外国民対策のもろさを叱咤する国民の憤りを重く受け止めなければならない。






