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「息子を生きて帰らせて」金氏家族、涙で生還訴える

「息子を生きて帰らせて」金氏家族、涙で生還訴える

Posted June. 21, 2004 22:45,   

「お願いだから、生きて帰らせてください」

息子の金鮮一(キム・ソンイル、33)氏が21日、イラクで拉致されたということを聞いた父親の金鍾圭(キム・ジョンギュ、69)氏と継母のシン・ヨンジャ氏(59)は、「何の過ちもなく、真面目に生きてきた我が息子を生きて帰らせてください」とテロ団体に涙で訴えた。

金氏夫婦は忠清南道天安市(チュンチョンナムド・チョンアンシ)に住む三女貞淑(チョンスク、32)氏の家に、1歳の孫を見に訪れたが、同日午前7時、テレビニュースで青天の霹靂みたいな息子の拉致ニュースを聞いては、すぐに高速列車に乗って釜山(プサン)の実家に帰って来た。

シン氏は、「4月に最後の電話があった時、『後方で通訳の仕事だけをするので安全だ』と言ったので、あまり心配してなかった。鮮一がしばらく帰国する7月に合わせて、夫の喜寿のお祝いパーティを2ヵ月繰り上げて行うことに決め、そのように伝えたのに…」と言いながら涙ぐんだ。

息子の心配で激しく泣いたせいか、父親の金氏の目は腫れていた。金氏は、「政府が日本のように交渉を上手くして息子を助けてほしい。全国民が鮮一を自分の息子や弟のように思って、帰って来れるように祈ってほしい」と言った。

金氏はまた、政府に対して「政府の立場からみれば派兵をしなければならないだろうが、家族としては派兵を撤回してほしい。派兵するかどうかとは関係なく、私の人生の全てとも言える一人息子が生きて帰って来れるようにしてほしい」と訴えた。

釜山駅からタクシーに乗って東区凡一(トング・ボムイル)6洞の実家に到着した金氏夫婦は、家の前に集まっていた隣人たちの勧誘で、まず隣の家に寄って鎮静剤を飲んで30分あまり心を安定させた。その後、家に入って息子の学卒写真を見ながら、また涙をこぼした。

午後になると、長女の香林(ヒャンリム・41)氏と次女の美貞(ミジョン・38)氏、三女の貞淑氏など嫁入りした娘たちが続々と実家に集まった。娘たちはお父さんの手をしっかり取って、「あまり心配しないで。必ず生きて帰ってくるはずだから」と両親を慰めた。

15坪の金氏の家は、家族と取材陣で足を入れる所もなかった。金氏夫婦は結局、気を失うように倒れてしまい、回りの人々を切なくさせた。

近所の住民の朴スンシク(59)氏は、「鮮一は貧しい家庭環境にも屈せず、自らお金を稼ぎながら独学で3ヵ所の大学を卒業した感心な青年だったのに…」とため息をついた。

1978年、実母が亡くなった後、母親のように鮮一氏の面倒を見てきた長女の香林氏は、「世の中の誰よりも善良で正しく生きて来た弟にこんなことが起きるなんて信じられない」と泣きわめいた。

釜山神学校(現慶星大神学科)の恩師だったチェ・ジョンホ慶星(キョンソン)大教授は、「彼が我々のところへ無事に帰って来られるように、学生たちと一緒に切実に祈る」と言った。

金氏と同年で卒業同期でもある慶星大神学科講師の金セヨン氏は、「信仰心が深かく、いつも意慾的に生活していた姿を思い出す。鮮一は静かながらも強かったから、無事帰って来られると信じている」と言った。