
17日午後、延世(ヨンセ)大学医科大学の新村(シンチョン)セブランス病院の癌センター56病棟。ここは手術を受けるために待機している患者、抗ガン剤と放射線治療を受ける患者でごったがえしている。56病棟では60人余りのガン患者が闘病生活をしている。ガンと戦う彼らの小さな希望を覗いてみた。
早期胃ガンで手術を待っている金ブンジャさん(58、女性、慶尚北道浦項市北区トクス洞)。
金さんがガンを早く見つけたのは風邪のためだった。1ヵ月前、金さんは咳がひどくなった。一緒に住んでいる孫に風邪を移すのではと心配で、町内の病院で治療を早く受けた。この時、医者に勧められて胃内視鏡も同時に受けた。今まで胃腸病にかかったことのなかった金さんは、胃ガンという事実が信じられなかった。
「ガンが体の中にあると思ったら、どれほど恐ろしくて不安なのか分かりません。半月間ほとんど眠れずに夜をあかしたんです」
入院すると周りに胃ガン患者が意外に多かった。同病相哀れむだろうか。手術が不可能な末期胃ガン患者から、手術が受けられるのが羨ましいという話も聞いた。
「ストレスが胃に本当によくないんだそうですね。これまで不安だった心をすべて吹っ飛ばしてガンと堂々と闘います」。食道ガンで闘病中の李ビョンスさん(62、事業家、大邱寿城区)。金さんよりガンがもっと進行していて、手術より放射線と抗ガン剤の治療を受けている。
「ガンで怖がったり恐ろしがったりしたことは一度もないんです。ガンを治すことができるという確信をもって生活しているんです。1日に1箱以上吸ったタバコもすっかり止めました」
李さんを介護している奥さんが、「この人、今になって分かったのね。お酒とタバコに溺れていたくせに」と言い放った。李さんは、そんな奥さんをありがたく思っている。病棟で歩く運動をするとき、そばで話し相手になってくれるだけでなく、抗ガン剤と放射線治療後、つらいときなどには勇気を与えてくれる。
末期乳がんで闘病中のチョ・ヘスクさん(57、ソウル衿川区始興洞)。チョさんはまだひとりで起きることができない。娘のクォン・スンボクさん(24)は通っていた会社を辞めて1日中お母さんを介護している。
町内にある教会の長老であるチョさんは、2月に末期乳がんという判定を受けた。右側の乳房にできたピンポン球の大きさのガンだけではなく、首、肝臓など全身にガンが転移していた。入院当時は身長154cmに体重は30kgに過ぎなかった。娘のクォンさんは2ヶ月前、周りの人々からお母さんはもうすぐ死ぬかもしれないという話をよく聞かされ、心配でならなかった。しかし、いざとなるとチョさんは死に対して冷静であった。
代わりにチョさんは1日に数百回も「あなたの意志通りにしてください」と祈る。祈りが終われば心が楽になるという。最近は生きようという意欲に満ちている。ご飯も欠かさずしっかり食べる。体重も43kgに増えた。気力がかなり回復したのだ。横になっていたせいか、腰と膝の痛いときがある。そのときはクォンさんがその部位を揉んでくれたり、痛み止めも飲ませてくれたり、湿布薬も貼ってくれたりする。娘の介護に感心する。チョさんは娘のことを考えると早く直るしかないと話しながら、娘の手をぎゅっと握った。
李眞漢 likeday@donga.com






