米紙ワシントンポストの副局長であるボブ・ウッドワード記者が書いた『ブッシュの戦争』は19日の市販開始前、すでにアマゾン・ドットコムのベストセラー1位にランキングされている。イラク戦争の背景と決定過程を追跡した彼の12冊目の著書だ。ウッドワード記者は、全世界で最も有名な現役言論人の一人だ。事件記者2年目だった1972年、ウォーターゲート事件のスクープ記事で、ニクソン元米大統領の辞任に決定的な影響を及ぼした。彼のスクープは、32年が経っても「ディープ・スロート」としかわからない極秘取材源の助けがあったのだが、卓越した取材力と執拗さがなかったら不可能だった。
◆彼の新刊『ブッシュの戦争』は、現職米大統領を3時間半もインタビューし、権力核心人物75人を直接取材して執筆した労作である。彼は接近が困難なホワイトハウス、国防総省、中央情報局(CIA)、最高裁判所などの中心的人物をインタビューする「アクセス・ジャーナリズム(Access Journalism)」の独歩的な存在だ。ウォーターゲート事件取材当時、彼は情報があれば50人に同じ質問をし、1人に同じ質問を50回もした程だったと、ベン・ブラッドリー当時編集局長が回顧録で紹介している。
◆『ブッシュの戦争』がベストセラーになったのは、現在進行形であるイラク戦争を扱ったことで爆発力があるためだ。11月に大統領選挙を控えており、政界とマスコミの関心も高まるしかない。しかし、米マスコミのベストセラーづくりの作業も無視することができない。市販まで行なわれる出版社の保安措置を経て、AP通信が本の主要内容を先に紹介し、新聞と放送がこれを報じたうえ、著者が最高の視聴率を誇るインタビューのテレビ番組に出演する典型的な過程を踏んでいる。
◆ブッシュ大統領の再選に『ブッシュの戦争』がいかなる影響を及ぼすのかも関心の対象だ。多くの論議にもかかわらず、ブッシュ大統領のイメージにむしろ役立つという評価もある。このためか、ブッシュ大統領の選挙運動ホームページには『ブッシュの戦争』が推薦図書1位に上がっている。ウォーターゲート事件はニクソンの再選を阻止することができなかった。ニクソンは再選に成功した。しかし、ウォーターゲート事件で弾劾危機に追われるや辞任に至った。ブッシュ大統領の運命はいかに。
権順澤(クォン・スンテク)ワシントン特派員maypole@donga.com






