
『人体の寄生生物に対する観察ノート』
ロバート・バークマン著/李ウンジュ訳/237頁/1万5000ウォン/ホイッスラー
皆様、人体共和国へようこそお越しくださいました。私は人体共和国出入国管理所の職員です。私どもの共和国には合わせて100兆余りの細胞がありますが、なかでも正式市民権者は10%に過ぎません。したがって、私ども出入国管理所の任務は90%の不法市民権者を追放するのではなく、その中で大多数を占める穏やかな住人と少数の暴悪な犯罪者を選り分けることです。
皆様が手にしている案内パンフレットには、私どもが追っている指名手配犯のリストが載っています。その中にはエボラウイルスのような自爆型テロリストもありますが、私どもの特別管理対象は主に組織暴力団型の強力犯罪者です。これらは節肢動物中心の「外部居住型」と寄生虫中心の「内部居住型」、そして最近になって現われた「特殊浸透型」に分けることができます。
「外部居住型」のうち、最も派手なのはノミです。2500坪の野原に270匹のウサギノミを放しておいたところに、ウサギ3匹を置いて実験を行ったことがありますが、すべてのノミが1匹も漏れ無くウサギの身体から発見されました。人で言えば、半径10万kmの野原で時速640kmで疾走するトラックの上に飛び上がる能力ですね。しかし「外部居住型」の高段者は断然南京虫です。南京虫は夜中に気づかないように血を吸い取りながら、宿主である人が痒くて掻くことのないように、抗生化学物質まで注射する完全犯罪者です。家のほこりと野生動物の毛に生きるダニは一番普遍的ながらも、喘息と疥癬のような疾病の原因になるという点で注意を要します。
「内部居住型」の先頭走者は回虫です。地球上で最も成功した寄生生物に数えられる回虫は、世界65億人の「人体共和国」のうち、最小12億5000人の共和国に浸透しているものと把握されています。しかし、回虫は結腸に定着した後には、何にもやることなくぶらぶらしながら人体共和国の食糧を減らすだけという点で、言葉とおり「寄生虫的な存在」に過ぎません。これに反して、普通豚肉を通じて感染する旋毛虫は膓の壁を抜け出て、肝臓と肺まで穴を空けて飛び回る暴徒です。一番無惨なのはメジナ虫ですが、水ノミの中で幼虫として生き、人体に浸透すれば膓の壁はもちろん、足の皮下組織まで抜け出ます。
「特殊浸透型」のうち、最悪の破壊犯はマラリヤ病原虫です。ひととき地球上に存在した人体共和国の半分を崩壊させた主犯で、今も1年120万〜300万人の共和国を崩壊させているマラリアの背後操縦士です。ラテン語で「悪い空気」を意味するマラリアが空気のせいではなく、熱源虫によって発生するということは19世紀末になって解明されました。胃潰瘍の犯人であるヘリコバクターピロリ菌は1980年代になって有罪判決を受けており、最近は心臓病発病の容疑者として、肺炎・クラミディアという細菌が名指しされています。
案内パンフレットには人体共和国の3D業務を黙々と遂行する不法市民権者の活躍も紹介されています。口臭は舌の裏側に棲息するバクテリアが口の中に入ってきたタンパク質・アミノ酸を分解する過程で作り出す揮発性硫黄化合物(VSC)が原因です。正常の人なら1日平均11回するおならの悪臭も腸内に棲息する細菌が硫黄が含まれたアミノ酸を分解する過程でVSCを出すからです。わき毛に暮すコリネバクテリウムは毛の皮脂と汗を原料に、汗のにおいと共に理性を誘惑するフェロモンまで作り出します。
最後に、案内パンフレットをぱらぱらめくって閉じてしまう愚を犯さないことを願います。トイレより台所のシンク台の方がもっと深刻に細菌に汚染しているという生活情報、爆笑を噴き出させるユーモア感覚豊かな文章、悪質手配犯たちの大型ブロマイド顔写真を見られる機会を逃すことになるからです。
權宰賢 confetti@donga.com






