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観客1000万名なら経済効果は3000億ウォン 映画「実尾島」

観客1000万名なら経済効果は3000億ウォン 映画「実尾島」

Posted February. 03, 2004 00:22,   


映画「実尾島(シルミド)」が観客1000万人を達成する場合、入場券収入を単純算出すると、700億ウォンに上る。ここに日本など海外への輸出やビデオ版権など2次収入まで考慮すれば、国内ヒット以上の「大成功」を収めることもできる。

おもしろいのは「実尾島」が韓国経済に与える波及効果についての韓国銀行(韓銀)の分析だ。2日、韓国銀行(韓銀)によると、1000万名の観客から700億ウォンの入場収入を記録する場合、直接・間接的に発生する生産誘発額は1350億ウォン、付加価置誘発額は594億ウォンに達するものと分析された。2000年度韓国銀行産業連関表に基づいて、入場収入を映画産業生産係数(1.928)と付加価置誘発係数(0.849)にそれぞれ掛けて出た数値だ。

韓銀・投入算出チーム長の金ジョングィ氏は「こうした経済的波及効果は、生産誘発面で現代(ヒョンデ)自動車のニューEFソナタ(1台当り1491万ウォン基準)3620台を生産するのと同じような水準だ」と述べた。「友へ・チング」の封切り当時の観客数705万名、入場収入494億ウォンを基準に、韓銀が算出した波及効果は、生産誘発額1158億ウォン、付加価置額364億ウォンだった。

これについて、三星(サムスン)経済研究院のコ・ジョンミン首席研究員は「観客数と入場収入以外にも映画の撮影場所だった実尾島の観光商品化、他分野に比べてブランド効果が高い文化産業の特性などを勘案すれば、『実尾島』の経済的波及効果は3000億ウォン以上と推算される」と明らかにした。

「実尾島」の1000万という数字は、文化産業的側面で複合的な衝撃を与えている。全体人口4800万を基準にして、5人に1人以上がこの映画を見たことになる。

文化評論家の金ジリョン氏は「日本でも宮崎駿監督のアニメーション『もののけ姫』など、1000万名台のヒット作品もあるが、極めてまれなケースだった。韓国に比べて人口が約3倍ある日本でも、観客1000万名というのはほとんど不可能な数字に思われる」と話した。

「1000万」という数字は、映画にとどまらず、韓国の文化産業全般において、象徴的な意味を持つ。歌謡界では趙容弼(チョ・ヨンピル)、金健模(キム・ゴンモ)、チョ・ソンモらが通算アルバム販売量で、出版界では「太白山脈」と李文烈(イ・ムンニョル)の「三国志」などが長期間にわたって1000万という記録を達成しただけだ。「実尾島」は昨年12月24日の封切りから2ヵ月も経たないうちにこの数字を視野に入れている。

ミョン・フィルムの沈栽明(シム・ジェミョン)代表は「一本の映画が1000万名を突破したことが映画市場に与える影響は、まずは心理的に『ミリオン(100万)』に止まっていた映画産業の規模を一気に1000万名台に拡大させた点で意義がある」と述べた。

もちろん批判的な意見もある。文化評論家の金ドンシク氏は「子供を抜いた実際の観覧年齢帯を考慮する時、1000万名という数字は全体国民3人に1人の割合で『実尾島』を見たことになるが、これは行き過ぎた傾き現象であり『文化的偏食』だ」と指摘した。

映画界の関係者も「必要なのは、1000万名級の映画1本ではなく、100万名級の映画10本だ。大ヒットした『韓国型ブロックバスター』の神話が映画の多様性を踏みにじる恐れがある」と述べた。



金甲植 dunanworld@donga.com