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「地球の果てで紛争の氷壁を崩す」 未踏の平和に挑む探検隊

「地球の果てで紛争の氷壁を崩す」 未踏の平和に挑む探検隊

Posted December. 29, 2003 23:40,   

00年9月、パレスチナでインティファーダ(反イスラエル抗議運動)が始まって以来、満3年が過ぎても「標的暗殺」や「自爆テロ」が後を絶たないイスラエル−パレスチナ紛争。年が変わっても解決の糸口が見えてこないこの血なまぐさい戦いに果たして終わりはあるのか。

新年1月1日、南極大陸の未踏峰頂上に登るために出発する8人のイスラエル−パレスチナ人混成探険隊は「どんなことでも終わりはある」と答える。

双方による流血紛争で、各々個人的な傷をだいているチーム員は、約35日間の悪戦苦闘をともにして「未知の氷の山」に登り、その山の名付け親になるという夢で胸を膨らませている。

チリのプエルトウィリアムズで待機している彼らのプロジェクト名は「氷を砕いて(Breaking the ice)」。「話の口火を切る」とか「関係を結ぶ」という意味のこもった言葉だ。

▲「ユダヤ人とアラブ人の氷壁を崩そう!」〓ドイツのベルリンで不動産開発業を営むユダヤ人のヘスケル・ナタニエルさんがはじめて同プロジェクトを構想したとき、周りからは冗談として一笑された。しかし、探険によって親善を追求する団体である「極限平和任務(EPM)」がこの案に乗ることにより、実行へと移っていった。

こうして集まった男性6人、女性2人のチーム員は、全員イスラエルとパレスチナの痛ましい歴史を抱えている。

世界7大陸最高峰を登頂したイスラエル人のドロン・エレルさんは、ポーランド出身の両親がナチによる大虐殺でかろうじて生き残った。イスラエル人のヤルデン・パンタ博士(女性)は、子供時代に住んでいたエチオピアでのユダヤ人大虐殺で家族全員を失い、14歳の年に独りで6ヵ月かけてイスラエルにたどり着いた。イスラエル人弁護士のアビユ・ショシャニさんとエレルさんはイスラエル軍特攻隊出身だ。

パレスチナ人のナセル・クァースさんとスレイマン・アルカティブさんは、イスラエル軍に抵抗して戦い、数年間服役した経歴の持ち主だ。兄が1982年ベイルートでイスラエル軍により殺害されたジャーナリストのジアード・ダルウィシさん、パレスチナ人でありながらイスラエルのバレーボール代表チームで活躍したオルファート・ハイダー(女性)さんも参加している。

▲吹雪を突いて平和へ〓探険隊は9月、イスラエルのテルアビブ近くの海で訓練に入った。11月にはフランス・モンブランの麓であるシャモニにキャンプを張り、零下30度の酷寒の中で登はん訓練を重ねながら友情を深めてきた。

いよいよ新年の朝、南米南端のドレーク海峡を渡って、965kmの第一歩を踏むことになる。「これは地球上で最も厳しいコースの一つ」と英国のガーディアン誌は報じている。チーム員たちは互いの身体を縛って南極の氷原を渡った後、まだ誰も登ったことのない南極半島の未踏峰の征服に乗り出す。

彼らのこの旅に、ダライ・ラマ、パレスチナ自治政府アラファト議長、ペレス元イスラエル首相、ゴルバチョフ元ソ連大統領の4人のノーベル平和賞の受賞者が祝福のメッセージを伝えた。国連のアナン事務総長、欧州議会のコックス議長、エベレストを征服した初のアラブ人ジェディー・アル・レパイドも祝福を祈った。

探険隊の旅程は毎日ホームページ(www.breaking-the-ice.de)を通じて公開され、ドキュメンタリーも制作される予定だ。ナタニエルさんは「私たちが成功したからといって、直ちに平和交渉のテーブルが設けられるわけではないが、私たちが一緒にできる何かがあるということを見せたい」と話した。



權基太 kkt@donga.com