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「千年前の十字軍の悲劇、今のイラクに繰り返し」 漫画「十字軍」

「千年前の十字軍の悲劇、今のイラクに繰り返し」 漫画「十字軍」

Posted December. 01, 2003 23:22,   

「始皇帝は『過去を借りて来て現在を誹謗されるのが怖くて』焚書坑儒を行ったと言われています。過去を直視すれば現在の自分の姿を知ることができます。しかし9・11テロやイラク戦争をみていると、過去の間違った歴史が繰り返されるいるように思えます」

最近出版された漫画『十字軍物語−衝撃と恐怖』第1巻の著者、金テグォン氏(28)は「1000年前の十字軍を通じてイラク戦争など今日の現実に迫りたかった」と話した。

ソウル大美学科に1994年に入学した金氏は、数々の大学の大学新聞に漫画を描いてきた描き手。この漫画はインタネット・ニュースサイト「プレシアン」に連載中だが、2005年までに全6巻を描き上げる予定だ。

『十字軍物語』は過去の鏡に現実を反射させる方式で展開され、今の状況を比喩する風刺とユーモアが溢れている。例えば、十字軍が自分たちの正当性を語る際に、米国のブッシュ大統領がイラク戦争を開戦するとき「我が軍隊は崇高な目標のために努力している」と語ったのをそのまま引用している。

「非信者たちを一掃するために選択されたと確信」していた十字軍は、全く準備されていない集団だった。1095年、法王ウルバヌス2世の遠征計画によって、隠者ピエルの引率する第1次十字軍はローマーを出発する。彼らはエルサレムに向かう道も知らなかったし、食料も用意していなかった。ドイツ南部のユダヤ人村をエルサレムだと勘違いしたし、食料調達のためにハンガリー農民たちを無差別に虐殺した。

「第1次十字軍に参加した人たちは、大半が純朴で貧しい農奴だったのです。もともとが悪人ではなかったのです。しかし独断と集団的な狂気にのめり込まれ、虐殺を厭わなかったのです。しかし、結局は彼らもトルコの要塞に閉じ込められて悲惨な最期を迎えました。彼らもまた十字軍戦争の犠牲者に過ぎなかったのです」

この本のよさは、何よりも十字軍に関する50冊余りの国内外の書籍を作者が直接読みあさった上で描いたところにある。作者はランシマン、スティーブンの『十字軍史』、ジョー・オルデンブルグの『十字軍』などの原書とジャーク・ル・コフの『西洋中世文明』、アーミン・マルフの『アラブ人の目で見た十字軍戦争』などの翻訳本を基本テキストにして、1次史料と参考文献を50冊余り渉猟した。登場人物も、当時の肖像画などを参考にして実際に近いイメージを作り出した。

「十字軍戦争で得た唯一の『果実』は杏の実しかない」という手痛い笑い話がある。この戦争の唯一の所得は、杏の実が欧州に伝播されたことだということなんです。十字軍戦争を通じて得たすべては、戦争でなくても得られるものだったのです。暴力を防ぐための暴力は、さらに大きな暴力を生みます。十字軍の狂気がなくなるまで、実に200年の時間がかかったのと同じように」



徐廷輔 suhchoi@donga.com