李会昌(イ・フェチャン)前ハンナラ党総裁が、SK秘密資金事件を国民に謝罪し、すべての責任を負うことを明らかにした。当然のことである。昨年の大統領選挙で、自分の当選のために動いた党役員たちが検察に召喚されて取り調べを受けている。財政局長は逮捕状まで請求された。このような状況で、大統領候補だった李氏がいつまでも立場表明を先延ばしにすることは困難だろう。
謝罪する李氏が悔恨の表情を浮かべたように、これを見る国民の心も複雑だろう。法と原則に一生を捧げてきたと自負する政治家が、それも多数党の総裁であり有力な大統領選挙候補だった政治家が、違法大統領選挙資金を受け取っていたことを認めて国民に謝罪したのだ。韓国政治の腐敗の根はこれほどまでに深いのだろうか。
李氏の謝罪は決して容易ではない決断だったと評価できる。李氏の謝罪が、政治資金改革を早める転機になることを期待する。ハンナラ党から、李氏の意思が色あせないようにしなければならない。大統領選挙資金全般に対する特別検事(特検)を推進するとしても、まずは検察捜査に積極的に協力しなければならない。政界を去った前総裁が10ヵ月ぶりに謝罪文を持って国民の前に立った意味を直視しなければならない。李氏も「今回のことで党が生まれかわることを願う」と懇願しているではないか。
しかし謝罪より重要なことは真実だ。残念なことに、李氏は国民が知りたい疑惑には言及を避けた。大統領選挙候補として、SK秘密資金流入の事実を知っていたのかどうか、知っていたならいつ知ったのか、などについては話さなかった。「私が責任を負うことにしたので、このような点は重要ではない」と言ったのが全てだ。謝罪はしたとしても、国民は依然として釈然としないことが多い。
李氏が、もっと勇気をもって告白するなら、泥沼に落ちて転げまわる韓国政界に肯定的な衝撃効果を与えることができるだろう。李氏の告白は他の党の告白につながり、政治改革の信号弾になり得る。李氏は検察の召喚に応じると言った。まだ機会は残っている。






