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[オピニオン]韓国軍捕虜

Posted October. 24, 2003 00:53,   

「陸軍少尉・趙昌浩(チョ・チャンホ)、軍番号212966。無事に帰還し、長官に帰還申告をします」。10年前の94年10月24日、初めての韓国軍捕虜出身の北朝鮮脱出者、趙昌浩氏が、国軍首都統合病院で国防長官に敬礼した姿は、多くの人々の涙を誘った。趙氏がソウルを離れたのが51年だから、およそ43年ぶりの帰還だった。翌年に出版された手記「帰ってきた死者」で趙氏は、長い歳月にわたって、北方の地で苦労した自身のことを「幸運児」と定義付けた。しかし「その幸運は(韓国に帰ってこれない)不幸な人々の前に立つと、かえって辛さになってしまう」と吐露した。

◆その後、韓国軍捕虜問題は、時々世間の注目を受けてきた。97年以降からは韓国軍捕虜出身の北朝鮮脱出者が毎年確認され、2000年以降、離散家族再会の行事でも韓国軍捕虜出身者の家族との再会が時折行われていた。01年の3回目の行事では、チョ・クムレさん(74、女)が死んだとばかり思っていた夫に再会し、今年9月8日の8回目の行事でも、2家族が再会できた。しかし、そこまでだった。北朝鮮は「韓国軍捕虜はただの1人も存在していない」という、以前の主張から一歩も譲らずにいる。韓国軍捕虜は「広い意味の離散家族」の範ちゅうに属するという韓国政府の立場も、今も昔も変わらない。結果的に韓国軍捕虜の送還問題は、これまで南北当局間の対話で正式議題に採択されることもなかったのだ。

◆韓国戦争当時の51年12月18日、国連軍と共産軍は捕虜名簿を交換した。このとき、国連軍側は、およそ11万1000人を共産軍側に通報し、北朝鮮は当時約8万8000人に推定された韓国軍捕虜数よりはるかに少ない約7100人の名簿を渡した。その後、1年半にわたる交渉のすえ、3回にかけての捕虜交換が行われ、国連軍側は1万3469人(韓国軍8343人、国連軍5126人)の返還を受けた。およそ8万8000人のうち10分の1未満が帰ってきたのだから、これまで死亡した人を引いても、依然相当数の韓国軍捕虜が北朝鮮にいると考えざるを得ない。

◆国防部が最近公開した資料によると、今年8月末現在、北朝鮮には496人の韓国軍捕虜が生存していて、死者は484人、行方不明者は175人だ。北朝鮮脱出者と韓国内親類の供述に基づいて身元情報を確認した内容というから、それは氷山の一角だろう。国家のために戦場へ向かい、半世紀が過ぎるまで苦痛の歳月を送っている彼らに、いつまで知らぬ振りをしていなければならないのだろうか。韓国政府が国家のため犠牲になった彼らにいつまでも無関心な態度を示していると、終局的には、政府が国民に背を向けられてしまう。政府は今からでも、韓国軍捕虜の送還を北朝鮮に強力に求めなければならない。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員songmh@donga.com