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[オピニオン]コールセンター

Posted October. 06, 2003 23:48,   

韓国でも爆発的な人気を集めている米国のシチュエーション・コメディー「プレンズ(Friends)」のある場面。可愛くて心はやさしいが、ちょっと無茶なところのある女主人公ののフィービーが、コンピューター用品関連のコールセンター(Call Center)に相談員として就職した。顧客の問い合わせ電話に応対し、電話販促をする仕事だ。「何をお手伝いしましょうか」、フィービーがやさしい声で電話に出ると、向こうの男性がそっけなく答える。「僕は自殺する」。いくら相談マニュアルをめくってもこれに対する応対法が書かれているはずがない。そのまま切ってしまってもいいはずだが、善良なフィービーは知らん振りできず、いろいろな手立てを使いお客さんを探し出して自殺を止めるという心温まる結末だ。

◆しかし、いくらフィービーでもこうした良いことをするのはほとんど不可能になった。コスト削減のため、引き続き人件費の安いところへコールセンターを移してきた米国企業が、今では外国にコールセンターを設けているためだ。米国北東部のオマハというところは英語のアクセントがきれいで、理想的なコールセンター地域に挙げられてきたが、その良き時代ももう終わりを告げた。ジェネラル・エレクトリックの消費者窓口やデルタ航空に予約電話をかけると、インドにあるコールセンターの職員が出る可能性が高くなった。米国人の10分の1にも及ばない賃金で英語のしゃべれるインド人が使えるここは、世界化時代の魅力的なアウトソーシングエリアとして浮上した。

◆コールセンターは電話で商品を「生産」する一種の製造業と言える。生産原価が安くて競争力ある地域へ工場を移すのは世界化時代の逆らえない流れだ。米国では製造業を中心に海外移転が日増しに増えていて、姿を消した働き口の15%が海外に流れ出したものと集計された。製造業だけでない。マイクロソフト、ボーイング、モーガンスタンレーなどテクノロジーや投資分野のホワイトカラー知識労動者らも海外にいるライバルに仕事口を譲っている状況だ。このため、経済が回復しているのに、失業率が高くなる奇妙な現象が米国を縛り付けている。

◆韓国の国民(グクミン)銀行も人件費の負担を減らすため、中国にコールセンターを移す方法を進めているという。国内の相談員の月平均給与が130万ウォンであることに対して、中国では1000人民元(約13万ウォン)ぐらいで十分だから、通信費を勘案しても利益だという説明だ。これまで高賃金を避けて生産工場を海外へ移転する例は多かったものの、銀行のようなサービス業種も海外移転を図り始めているというニュースは少なくない意味と衝撃を与える。これからは非熟練・低賃金の外国労動者だけでなく、海外の高級人材とも「仕事争い」を繰り広げなければならない模様だ。ともすれば、この地に企業と工場は姿を消し、失業者だけが一杯になるかも知れない。「井の中の蛙」式の考え方では生き残れない。これからは世界中の人々がライバルだ。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com