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[オピニオン]枢機卿

Posted September. 29, 2003 23:29,   

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来月21日に即位25周年記念を迎えるローマ法皇ヨハネ・バウロ2世が28日、新しい枢機卿31人を発表した。法皇は執務室のバルコニーで、巡礼者と観光客が詰め掛けたバチカンのサンピエトロ広場を見下ろしながら、新任の枢機卿の名前を一つ一つ読み上げていった。フランス、イタリア、スペイン、メキシコ、日本、ナイジェリア、スーダン、米国、スコットランド、ブラジル、ガーナ、インド、オーストラリア、クロアチア、ベトナム、グアテマラ、ハンガリー、カナダ、スイス、ベルギー、チェコ、ポーランド教区の大主教およびバチカンの高位人事の名前が次々と呼ばれた。だが、期待していた韓国人枢機卿の名前は最後までなかった。

◆天主教では地位によって色が違う服装を身につける。一般司祭は黒、主教は紫、枢機卿は赤、法皇は白だ。赤い服装をすることから紅衣主教と呼ばれる枢機卿は、法皇が指名するローマカトリックの「元老院議員」として、法皇の被選挙権(終身)と選挙権(満80歳まで)を同時に持つ。法皇が善終した場合、15日以内に全世界の枢機卿がミケランジェロの「天地創造」が描かれているバチカンのシスティナ礼拝堂に集まり、新しい法皇を選出することになる。これで全世界の枢機卿の数は195人となり、法皇選挙権を持つ枢機卿も135人に増えた。

◆韓国初の枢機卿が誕生したのは1969年のこと。馬山(マサン)教区長を経てソウル教区長に赴任して1年しか経っていない金壽煥(キム・スファン)大主教が、47歳で「一躍」韓国初の枢機卿に任命されたのだ。赴任初期には少なくない「よそ者扱い」に悩まされた金枢機卿は、預言者的な眼目とリーダーシップで韓国の天主教をリードし、天主教の首長を超えて韓国社会全体の精神的な指導者としての位置を固めた。だが、数年前に教区長職から引退し、昨年満80歳を超えて法皇の選挙権を喪失した。このままでは、韓国は新しい法皇選出のための投票権が1票もないことになる。

◆世界カトリック福音史で、韓国は唯一宣教師が派遣されていない状態で福音の種が開き、有例のない弾圧の中でも103位の聖人を誕生させた国だ。全世界的にカトリック教勢が萎縮している今日でも、430万人の熱烈な信者がいる。だが、ここ34年間「第2の枢機卿」を輩出することができず、残念を通り越して自尊心に傷がつくほどだ。カトリック教勢が韓国の約10分の1に過ぎない日本は、今までに5人の枢機卿を輩出した。金枢機卿が教会の時代的な召命をきちんと果たしてきたために、「2度目の枢機卿」誕生にかける韓国の期待にはまた格別なものがある。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com