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ケネディーはゴルフ紳士…クリントンはペテン師

ケネディーはゴルフ紳士…クリントンはペテン師

Posted September. 26, 2003 23:26,   

「ホワイトハウスからグリーンまで」

ゴルフは性格だ。よく旅行とお酒、ゴルフを一緒にやってみると人柄が分かってくるといわれている。

この本(原題「First off the Tee」)にはウィリアム・H・テフト(第27代)からジョージ・W・ブッシュ(第43代)に至るまで、過去100年間の米国大統領経験者17人のうち14人が登場する。彼らの政治性向と人間的な性格は十人十色だが、共通点がある。みなゴルフを楽しんでいたということだ。ゴルフは、ホワイトハウスの主人公たちに最も愛されるスポーツだった。

著者は、「地球上で一番強力な権力を持っている米国の大統領も、ゴルフクラブを握ると、ただの平凡な男と変わらない」と結論付けている。果たして米国の大統領たちは、スポーツのなかで唯一審判がいないゴルフ本来の精神にどれだけ忠実だったのだろうか。

著者は、14人のうち12人の大統領を「純粋派」、「最悪派」、「ペテン派」の3つのタイプに分類した。数知れないマリガン(mulligan:罰無しで打ち直し)を乱発したことで悪名高いクリントンは「詐欺師」に分類された。反面、「純粋派」のジョン・F・ケネディーは、きっぱりとしたマナーで歴代大統領のうち「ベストプレイヤー」に選ばれた。体重が160kgもあった巨体の「最悪派」テフトに対しては「相撲取りがゴルフをしている姿を想像したことがあるだろうか」と赤裸々に描いている。

とくに2002年8月に著者がクリントン氏と6時間も一緒にホールを回ったときの証言は興味深い。クリントン氏のゴルフスタイルについて著者が下した結論は「ゴルフボールのペテン師」だ。クリントン氏の場合、マリガンではなく、もともと彼の専売特許であるという意味で「ビリガン」と言い直さなければならない、とまで述べている。

米国ゴルフ協会は「プレイヤーはホールでプレイする間、練習ショットをしてはならず、これを違反すれば罰2打」と規定している。しかし、クリントン氏は、著者とホールを回る間、すべてのホールでこのルールを違反した。フェアウェー・アイアンショットも気に入らないと2度も3度も打ち直した。グリーン近くでは、決まって「これが私の最初のショットだっけ?よく覚えてないんだよな」と言いながら、ごまかそうとしていた。1996年にクリントン氏と対決した共和党のボブ・ドール議員は「ゴルフ場でのクリントンの正直さ」を政治問題化しようとしたほどだ。これに対してもクリントン氏は「1、2度の練習ショットを打ったことはあるが、自分の点数はきちんと記録している」と意気揚々と答えていた。

著者は「何かしたいことがあるときは、それができると信じなければならない」という政治家クリントンの所信がゴルフにも投影されているのではないだろうか、と反問する。「この人は、本当に自分自身までも騙しているのではないか。自分は、記録でたったの1打も削ったことがないと信じているのではないだろうか」と。

ピューリッツァー賞を3回も受賞した調査報道の専門記者らしく、著者は過去100年の米国の歴史で、ゴルフをしなかった3人の大統領(ハーバート、トルーマン、カーター)が、いずれも再選に失敗していることを見出した。また、ゴアやドール、デュカキス、モンデール氏に至るまで、ゴルフをしなかった最近の大統領候補たちは、ゴルフへの愛情で知られている競争者たちに全員負けていることも指摘した。フォード氏と戦って当選したカーター氏は、歴代大統領選挙でゴルファーの競争者を破った唯一のノン・ゴルファーだった。

一つ物足りない点は、今のブッシュ大統領と父親のブッシュ元大統領(第41代)を特に分類しなかったことだ。ブッシュ大統領の言葉を引用してブッシュ父子のゴルフが「スピードゴルフ」であると淡々と書いている。

「父が考えている『成功した』ラウンドは打数をどれだけ減らすかではなく、どれだけ速く打てるかです。私たちはいつも3時間内に18ホールを回れるように打っているんです」。

ブッシュ父子の18ホール最短時間ラウンド記録は1時間42分。父親のようにブッシュ大統領も、また自己破壊的でせっかちな気質を見せているのではないだろうか。著者は、ゴルフラウンド時間に触れて慎重に言及している。



安永植 ysahn@donga.com