米国とカナダの5000万人をひととき暗黒の世界に追いこんだ停電は復旧したが、その後の影響が大きい。事故を招いた原因として、電力産業の民営化と規制緩和に対する成果と過ち、再発防止策をめぐる議論が、米国を熱くさせている。
▲くもの巣に乗った停電ドミノ〓専門家たちが疑問を抱いているのは「14日午後4時頃、最初3つの送電線で起きた停電がどうして統制されなかったのか」ということだ。この送電線はオハイオ州クリーブランド近くに設置されたもので、ペンシルバニア、ニュージャージーなど3州の数百万人に電気を販売しているファーストエネルギー社の管理区域に属している。ニューズウイークは最近この会社が多くの法廷及び財政問題に苦しんできたと伝えた。
米社会が驚いたのは、わずか数分で米北東部の8州とカナダ一部を麻痺させたことだ。この一帯は冷房需要が集中する夏季にも、日常的な電力消費量が発電設備能力の75%に過ぎない。全体的には設備容量を上回る過負荷がかからなかったのにもかかわらず、一部送電線の問題がシステムを麻痺させたことだ。
北米の送電線はくもの巣のようになっている。今回の停電ではおびただしい過電流が急に方向を変えたほか、発電所まで脅かしたため自動遮蔽装置が作動した。
▲電力市場の民営化〓30年代から構成された米全力網は「くもの巣」のような形になっている。「生産してすぐ消費しなければならない」電力産業の特性のため、最初からある1ヵ所に電気が不足すれば、近隣の町内から借りてくることができるように設計された。
当初、1社が一定区域内で発電と送電を一人占めする形で運営したが、92年の電力産業の規制緩和によって発電、送電、配電部門が分離した。これによって発電設備のない零細な会社も生産単価の安い他地域の会社の電気を導入して消費者に販売することができるようになった。例えばニューヨークのサービス会社が電気代の安いミシガン州の電気を導入して、ニューヨーク市民に販売する。
生産−卸し売り−小売り部門を合わせた電力会社は01年850社を超えて、電力産業は自由競争市場に様変りした。それによって96年に比べて01年の電気料金は住宅用と商業用は13%、産業用は4.8%下がった。
▲民営化の落とし穴、送電部門の投資〓しかし、今回の事態で民営化の落とし穴も明らかになった。75年から現在まで経済規模は2倍に大きくなったのに、送電部門の年間投資は50億ドルから20億ドルに減った。英ファイナンシャル・タイムズ紙は18日「米国250社の送電会社の最近10年間のインフラ投資額が、市場と領土がもっと小さいイギリスの3社に似ている」と指摘した。
去年、スペンサー・ エイブラハム米エネルギー長官は「米国の送電体系は10年内に経済水準に追いつかないだろう」と心配した。しかし、ブッシュ政権は新たな資源開発と料金体系の改善だけに政策の焦点を合わせて、利益団体間のロビー戦だけを量産したという評価だ。
▲「市場の失敗」を補う〓現在としては米国の送電各社が電線網に投資する理由がない。送電網がくもの巣のようにつながっていて、どこに手をつければいいかが分からず、巨額を投入して施設投資をしてもライバル社にただ乗りを認めることになる。環境問題も大きい。
専門家たちは発電会社が送電設備に投資すれば、政府の補助金を与えるか、老朽化した送電網を連邦政府が取り替える民営化の補完策を示している。この外に地域の利己主義を乗り越えるために送電網の許可権を連邦政府が持つ案も講じられている。
朴來正 金承眞 ecopark@donga.com sarafina@donga.com






