梁吉承(ヤン・ギルスン)大統領第1付属室長の波紋は、接待の場面が撮影されたビデオテープがマスコミに公開されたことで、大統領秘書の公職綱紀の次元を超え、現政権の核心部をめぐる「権力暗闘と葛藤」のど真ん中に入り込んだようだ。梁室長が巧妙に設置されたわなにかかったという陰謀論から、捜査機関の採証テープ説などあらゆる推測が飛び交っており、もはや真相を究明しないまま、適当には見逃せなくなった。
ビデオテープの内容を分析してみると、「陰湿な企画」の影がちらつくのも事実だ。部屋で酒を飲む場面は、内部の者でなければ撮影が難しく、梁室長一行の移動経路を正確に把握していたうえ、カメラの焦点も梁室長に合わせられている。匿名に隠れてマスコミ機関を移動して執拗に情報提供した方法も普通ではない。
ビデオテープ騒動だけでなく、事件の本質は梁室長が受けた接待に代価があるかどうかだ。無論、陰謀説のような消耗的な論議を避けるためには、誰が何の目的でビデオテープを撮影して公開したのかも明確にしなければならない。
梁室長の釈明書には、脱税、未成年者買春などの容疑で捜査されている清州(チョンジュ)Kナイトクラブの李社長が酒の席に同席した経緯についての説明が十分ではない。梁室長は、李社長が捜査を受けていることを知らなかったと説明したが、犯罪被疑者が経営するナイトクラブで酒を飲み、彼が経営するホテルのスィートルームに泊まったからには、善意の接待を受けたと見ることはできない。李社長の容疑の事実だけでなく、彼が何の目的で梁室長接待の企画・後援に関与したのかも、明らかにしなければならない。
大統領府は検察に捜査を任せるというが、陰謀論にとらわれて「隠しカメラ」の製作経緯を明らかにすることだけに執着するのは誤りである。事件の核心は、あくまで「大統領の秘書中の秘書」をめぐる、みだらな接待と怪しい暴露の真実なのだ。






