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「8の字スウィング」ヒューリックのスーパーショット

「8の字スウィング」ヒューリックのスーパーショット

Posted June. 15, 2003 21:59,   

練習に打ち込むタイガー・ウッズ(米国)の表情からは、堂々とした「ゴルフの皇帝」らしさは見当たらなかった。

米イリノイ州オリンピアフィールズCCのノースコース(7190ヤード、パー70)で行われた、「2003全米オープン」(賞金総額600万ドル)の第3ラウンド。ウッズは、試合が始まるまで1時間近く練習用のグリーンでパットの練習に打ち込んだ。距離感はもちろん、方向性にもバラツキがあった。ウッズは終始一貫首をひねりながら、硬い表情を崩さなかった。

案の定。ウッズはこの日、1ホールあたり2つの合計35のパット不足に苦しみながら、プロデビュー以来、全米オープンの1ラウンドで自己最悪のスコアー(5オーバー、75打)を記録しながら、24位タイ(1オーバー、211打)に後退した。

ウッズの自信不足は、ティーショットをした1番ホール(576ヤード、パー5)でも、ある程度予想されていた。悪名高いラフを恐れたのか、ドライバーの代りに3番ウッドでティーショットしたウッズは、結局3オン2パットに止まった。

一方、「8の字スウィング」で知られるジム・ヒューリック(33、米国)は、驚くべき集中力で3打差の単独トップに躍り出て、生涯初のメジャータイトルを目前に控えた。前日、7アンダー63打の成績で第2ラウンド共同首位を記録したビージェイ・シン(フィジー)は前半、ヒューリックの猛烈な追い上げにもめげず善戦したが、後半立て続けに4ボギーを叩いて自滅した。

この日ヒューリックは、さらに3打を減らして10アンダー200打をマーク、スティーブン・リーニー(7アンダー、203打、豪州)の追撃を3打差でかわした。200打は、今年で103回目を迎えた歴代全米オープン第3ラウンドまでの最小打記録より、3打も少ない成績だ。

いくら一気に追い上げることが得意とは言え、ウッズのコンディションからみて、今大会で3日連続60打台を記録しているヒューリックとの11打差を逆転に持ち込むことは、手に余りそうだ。前半に3打を減らしたヒューリックは、後半に入り2バーディーと2ボギーをマーク、それ以上打数を減らすことはできなかったが、2回の劇的なパーセーブと10メートル以上のバーディーパット2本が、ホールに吸い寄せられるように入って行った。

一方、プロ入り後11年ぶり2回目の全米オープン出場を果たしたリーニーは、10番ホール(パー4)で、惜しくもダブルボギーを犯したものの、ヒューリックとともに3日連続60打台を記録するほど、並外れたショット感覚を披露した。

ヒューリックとリーニーは、16日午前5時(韓国時間)「チャンピオン組」として、最終ラウンドの正面対決に挑む。

崔京周(チェ・キョンジュ)は前日まで13オーバー、153打と成績が振るわず、154人のうち最下位圏の142位タイで予選落ちした。



安永植 ysahn@donga.com