5月は家庭の月。
2月、大邱(テグ)地下鉄放火事件によって親を失った「スミちゃん3兄弟」のケースは、家族愛の意味をもっと強く感じさせてくれる。親なき3兄弟は、苦痛を乗り越えて「美しい再起」のために頑張っている。
「お祖母さん、ただいま!」
先月30日午後、慶尚北道永川市華南面(キョンサンプクド・ヨンチョンシ・ファナムミョン)グィホ里に住むファン・ジョンザ氏(60)の家。ファン氏のしわの寄った顔に微笑みが広がった。
去年1月、心臓まひで父親が亡くなった後、今年2月大邱地下鉄放火事件によって母親まで失って、お祖母さんと生活しているオム・スミ(8)、ナンヨン(6)、ドンギュ(5)の3兄弟。彼らの明るくて逞しい姿だった。
事故から2ヵ月間、お祖母さんは農業をを止めて、子供たちの面倒を見るのに専念してきた。母親のことでつらい思いをさせないつもりで、いつも留守をせず、3兄弟の面倒を見てきた。
母親が生きている時とは多くのことが変わった。目立って節度深くなった長女のスミは、もう、おかずに文句を言わない。宿題も自らして、寝ている弟や妹が蹴ってしまった布団を覆ってやったりする。最近は弟や妹の食器洗いまで引き受ける。頑固な次女のナンヨンも、お祖母さんの話によく従う方だ。以前は自分が部屋を散らかしていたが、このごろは弟のドンギュが散らかしておいたおもちゃを片付けるほどに変わった。
お祖母さんのファン氏の目は、孫たちの変わった姿に感心しながらも、限りない痛ましさが見られる。そんなお祖母さんに力になってくれたのは、3兄弟の事情が知られた後、全国各地から送られた多くの手紙。「3兄弟を立派に育ててください」という言葉や「スミ、頑張って!」という激励の言葉が込められていた。スミのために本を送ってくれた中学生もあった。
現在、生活に最も役に立つことは、韓国ヤクルト社が毎月送ってくれる100万ウォン。ファン氏は「このうち、50万ウォンを生活費に使って、残りの50万ウォンはスミ3兄弟のために貯金をしている」と話した。
本が好きなスミの将来の希望は国語の先生。ナンヨンは自分が描いた絵を誇らしく見せながら「美術の先生になりたい」と、はにかむように笑った。






