一部の富裕層の子どもたちの間で「米国私立名門高校への入学ブーム」が起きている。
最近、新入生募集を終えた米国の有名な「ボーディング・スクール(boarding school)」には韓国からの志願者が殺到し数十対1の競争率となったことが、23日確認された。一部のボーディング・スクールの場合、韓国人志願者が5年間で2倍近く増加した。
ボーディング・スクールは、寮のある私立学校で、米国の高所得・高学歴層の子どもたちが主に通っており、米名門大学進学の「お墨付き」として知られている。
▲入学の実態〓東亜(トンア)日報の取材チームが米国の最上位圏のボーディング・スクール9ヵ所の入学担当者と電話や電子メールでインタビューを行った結果、9月学期入試で韓国人学生たちは平均10対1、最大30対1程度の競争率を見せた。また、この5年間で新しい志願者数が2倍程度増えた所もあった。
ブッシュ大統領が卒業した「フィリップス・エンドバー」の場合、99年に36人だった韓国人志願者が今年69人に、「フィリップス・エックスト」は99年40人から今年74人に増えた。これらの学校は、毎年4、5人の韓国人を選んでいる。
米大学入学試験修学能力試験(SAT)の成績1、2位を争う「チョトロズメリホル」は今年60人が志願して6人が合格しており、「ブルックス・スクール」は4人を選抜するのに75人が、「スチーブンソン・スクール」は58人が志願して4人を選抜した。
この他にグロトン・スクールとディアフィールド・スクールは、今年80人余りの韓国学生が志願して5、6人程度を選んだ、と学教側は推定した。
ディアフィールド・スクールの入学担当官グロス氏は「全入学生の12%がアジア系で、このうち韓国人学生が3分の1を占めている。韓国志願者数は他のアジア諸国をすべて合わせた数と同じくらいだ」と話した。
▲「留学受験生」急増〓「フィリップス、○年連続合格」「グロトン、X人合格」…。最近ソウルの江南(カンナム)駅、駅三(ヨクサム)駅の近くでは、こうした内容を建物の外に貼っている学院を簡単に見つけることができる。こういう「米高校受験」学院は、ソウル地域だけで10ヵ所を超える。
「受験生」たちは、現在こちらで11、12月にある中等学校入学修学能力試験(SSAT)に備えている。「週末クラス」には大田(テジョン)、釜山(プサン)等からの学生たちまで遠征課外授業を受けている。
米国内のボーディング・スクールは約250校。留学院の関係者たちによると、現在国内でこれらのボーディング・スクール入学を準備している学生は1500人以上と推定されている。
ソウル江南教育庁によると、今年区内の中学2年生1万2014人のうち303人が「長期欠席生」に分類される。教育庁の関係者は「長期欠席生の99%が留学生である」と分析した。
▲どうして集中するのか〓一部の父兄たちは、ボーディング・スクールが韓国ではみられない「エリート教育」を実施するという点を重視している。学院側の説明会に参加した父兄Aさん(44)は「英語圏の学校という長所だけでなく米主流社会の友だちと付き合って、マナーや体育教育もちゃんと受けられそうなので、進学させようと思う」と話した。また1人当たり年間5000万ウォン以上の滞在費がかかるが、寮生活なので親が同行しなくてよいことも魅力にあげた。
延世(ヨンセ)大学教育学科の延文煕(ヨン・ムンヒ)教授は「富裕層の父兄たちが韓国の平準化教育に満足できず、『米高校受験生』が増えているようだ。ただ思春期の学生たちが不慣れな環境に適応することができずに失敗する例も多いという点を認識しなければならない」と話した。
cij1999@donga.com






