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[オピニオン]隠とん中の金総書記

Posted March. 27, 2003 22:13,   

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北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記がここ44日間、公式席上に姿を表わさずにいる。今回の「隠とん」は金総書記が97年10月に党総書記に就任して以来の、最長記録だ。さらに、金総書記は26日の最高人民会議にも出席しなかった。最高人民会議は金総書記が98年以降、一回も欠かしたことのない重要な国家行事である。金総書記の最後の公式行事は、2月12日の平壌(ピョンヤン)にあるロシア大使館で行われた61歳の誕生日(2月16日)の祝賀行事。友好国の大使から盛大な誕生パーティーのもてなしを受けた後、北朝鮮の最高指導者にいったい何が起きたのだろうか。

◆金総書記の身の上に重大な変化が起きたわけではないようだ、というのが衆論だ。金委員長は隠とん中にも胡錦濤主席など中国の新指導部と再選されたキューバーのカストロ国家評議会議長に祝電を打ち、建設中の水力発電所の早期竣功を促したという報道もあったからだ。また、2月28日付けの労働新聞は、「われわれ人民がこの世で誰もがうらやむような豊かな生活を送れるようになれば、私も安心して休めるだろう」という金総書記の言葉を報じた。金総書記は、「どうすれば、人民を豊かにさせることが出来るか苦心しているため」対外的席に出席する暇もないというのだろうか。

◆金総書記の隠とんだけでなく、イラク戦争に対する北朝鮮の反応が以前と比べて一段とセーブされているということも関心事だ。91年の湾岸戦争開戦直後、「必ず代価を払うだろう」、「犯罪行為」などと激しい表現を使って米国を非難していた北朝鮮のマスコミが、今回は論評なしに事実報道に重きを置いた態度を見せているからだ。基本的に態度が変わったのか、でなければ米国のイラク攻撃に北朝鮮が怯んだのか明らかでない。他の国から「イラクの次はあなたたちだ」と見られている中で、爆撃で燃えるバグダッドを見て彼はどう思ったのだろうか。いくら北朝鮮がイラクの立場と違っていると言っても気にならざるをえないだろう。

◆だから、金総書記は将来我が身に降りかかるかも知れない米国の攻撃に備えて、予め追跡網を逃れようと、ある日急に姿を消した可能性もある。だが、バグダッド空襲の初日、数年もの間影武者を立てて逃げ回っていたサダム・フセイン大統領が、米国ミサイル攻撃の狙いに肝を潰したということは何を語っているのか。金総書記はなぜその厳しい道を選んだのだろうか。選択によっては彼自身が望んでいた通りに、「安心して休める」こともできたろうに。核さえ放棄すれば国際社会の援助で、「人民が豊かに暮らすことができる」からだ。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com