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忘れられつつある韓国伝統の「歌」を求めて KBS特集ドキュメント「歌」

忘れられつつある韓国伝統の「歌」を求めて KBS特集ドキュメント「歌」

Posted March. 04, 2003 22:26,   

巫女(ムダン)の祈り、舞妓の歌、口ずさみ、笛の音。

数代にわたって引き継がれ、一生をささげて大切に伝授されてきた韓国の歌が、次第に姿を消しつつある。

しかし、音楽は生きた「儀式」として伝承されるものだ。アンズの花の咲いた街の、メグの祈りや、波の打つ海辺の祈りを、ただ楽譜だけに盛り込むことはできない。

5日から放送されるKBS(韓国放送公社)の創立30周年記念の特集ハイビジョン・ドキュメンタリー5部作「歌」(午前0時)は、田舎の街に響きわたる生きた韓国の音楽を、現場で集めた原音を採録した。

5日には、珍島(ジンド)の厄払いの祈りをささげる最後の巫女、チェ・ジョンレ先生(78歳)をインタビューする。チェ先生のチェソク(儀礼)の祈りは、夫のハム・インチョン氏のジン(銅鑼)と、甥のカン・ジョンテ氏のジョウコ (杖鼓)というシンプルな構成だが、祈りがはじまると死者の祭りで生きた者を慰める音楽が奏でられる。

歌で有名だった「珍島3礼」のうち、チェ・コンレ先生はすでに亡くなっており、金テレ氏は喉がかすれてしまったため、今はチェ先生が進道の昔ながらの唯一の歌い屋だ。

6日に紹介される中高制(チュンコジェ=忠清道地方の歌い方)の、最後の伝承者であるシン・ファヨン先生は90歳の年にもかかわらず、「スクテモリ」を歌う。シン先生は、00年1月になってようやく忠清南道(チュンチョンナムド)の無形文化財に指定された。

しかし、先生はもう90歳。取材の途中、シン先生の一言。「もうちょっと早めに来たらよっかたのに」と。

7日には、一生を歌の稽古に明け暮れた西便(ソピョン)歌の最後の名人、ハン・スンホ(80)先生が紹介される。彼の「赤壁歌」からにじみ出る千変万化の歌声を聞いていると、赤壁川に火がつくような気がする。

13日には、「彼の口ずさみを耳にしていると、納屋の麦打ちも踊る」では、芸のふるさと 、普州(チンジュ)の歌舞樂の達人・金スアクが紹介され、14日には神降ろしの音楽「統営(トンヨン)のシナイ(南道の巫女の音楽)」を受けつぐ、後の笛屋であるチョン・ヨンマン氏の生々しい生活と芸術に会える。



田承勳 raphy@donga.com