京畿道高陽市(キョンギド・ゴヤンシ)が1000億ウォンと1500億ウォンをかけて、2ヵ所に文化センターを建てているが、オペラやクラシック音楽の公演といった当初の目的とは裏腹に、放送会社の大衆音楽番組の録画施設として利用する方針を進めており、「税金で放送施設を建てるのではないか」との指摘の声が上がっている。
▲放送用に方向修正〓高陽市は、昨年10月、MBCとSBSに市で建設する文化センターで行える公演の種類と回数を尋ねた。これに対し、MBCは年間66回、SBSは50回の公演が可能だと回答した。
MBCは、歌謡コンサート30回、音楽キャンプ25回、人気歌手の特集ショー、年末の授賞式など、主に大衆音楽番組を提案し、SBSは、人気歌謡、主婦向きの歌謡コンサート、歌謡大賞などの番組を提案した。
一つの番組の制作に普段3,4日ぐらいかかることを考えれば、文化センターでは、1年中放送番組が制作されることになると思われる。
さらに、両放送会社の音響や照明関係者らは、文化センターの建設過程に参加して市の諮問に応じており、市側はこれら関係者の助言を積極的に受け入れる方針だ。
2005年完成予定の一山(イルサン)文化センターは、オペラ劇場(2000席以上)、コンサートホール(1500席)、実験劇場(350席)など、大規模な専門公演場を目的としている。
今年7月完成するドクヤン文化体育センターは、文芸会館(1500席以上)、文化センター(450席)、運動場などの文化施設だけでなく、520億ウォンを追加してアイスリンク、プール、ジムなど、地域住民のための施設を整備する予定だ。
▲専門家の意見〓文化企画者の姜駿赫氏(カン・ジュンヒョク、56)は、「住民の文化ニーズを考慮せずに建物ばかりを建てて、当初の目的とは大きく異なる放送番組を誘致するというのはとんでもないことだ。年間100回を上回る公演を行うとすれば、それは放送会社が建設すべきものであり、税金を使う理由はない」と指摘した。
また、昨年11月、文化センター建設の諮問会議に参加したある関係者は、「放送会社の関係者が参加したので、戸惑いを感じた。建築の規模を減らし、地域文化の活性化に向けて予算を投じたほうが望ましいだろう」と話す。
▲高陽市の主張〓高陽市側は、建物の規模に見合ったオペラやクラシックなどの公演を誘致するのは現実的に困難であり、その損失を抑えるために放送会社にレンタルする方法を考えているのだ。また、専用の放送専門施設になるのではなく、当初の目的を遂行するとともに放送にも適用できるよう、一部の機能を追加するだけだと説明した。
市の幹部は、「まだ、文化センターの活用方法については決着がついていない状態だ。活用方法について専門機関に依頼し、地域の専門家に諮問をするなど、市民のための施設になるよう最善を尽くす」と語っている。
argus@donga.com






