金大中(キム・デジュン)大統領の「東橋洞(トンギョドン=金大統領の家臣グループ)系の解体」指示は、宣言的な意味合いが強い。時代状況から鑑み、東橋洞系の消滅はすでに予定されていたからだ。これ以上、帝王的な大統領による家臣政治が容認されないほどに、韓国政治の水準と情況が変わったのだ。したがって、家臣政治の象徴である東橋洞系の消滅は時代変化に伴う当然な帰結である。
現実の政治においても東橋洞系は事実上、解体されたも同様と言える。与党民主党の盧武鉉(ノ・ムヒョン)候補の大統領当選によって、東橋洞系の民主党内での立地は、韓和甲(ハン・ファガプ)代表が次期代表を諦めるしかないほど狭くなったし、改革派の攻勢に追い込まれている。金大統領は、こうした東橋洞系の解体を公式に宣言することで、民主党の従来の秩序を変えようとしている盧武鉉次期大統領に力を貸しつつ、退任後、自身の政治的な負担も軽くしようとする姿を見せた。
30年余りの長い歳月の間、金大統領と「君臣の政治的な関係」を保ってきた東橋洞系の功罪ははっきりと区別される。軍事独裁政権下で金大中氏の東橋洞系は「金永三前大統領の上道洞(サンドドン=金永三前大統領の家臣グループ)系とともに、民主化闘争の2大軸を担ってきた。彼らに見せてくれた「主君と家臣の関係」は、当時の時代的な状況の産物という側面も見逃せない。問題は、東橋洞系と上道洞系が政権を担当した後も、過去の「身内政治」を清算できなかった点だ。結局、彼らの「側近政治」は国政を翻弄し、「権力の不正」をもたらした。
これから上道洞系に次いで東橋洞系が歴史の舞台裏へ姿を消す。一つの時代が幕を下ろすのだ。新しい時代は新しい政治を必要とする。東橋洞系の解体だけでは足りない。より具体的な政治改革を進めることで、旧時代の古い政治がこれ以上根付かないないようにしなければならない。政治改革に時間的な余裕はあまりない。今年の上半期が過ぎ、総選挙の風が吹き出すと、政治改革は立ち消えになりかねない。与野党ともに急がねばならない。