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殺人犯の自首・・・心理戦は始まった スリラー映画「H」

殺人犯の自首・・・心理戦は始まった スリラー映画「H」

Posted December. 16, 2002 22:19,   

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コメディ映画が前例のない人気を博している韓国映画界で、ほかの人とは違う道に進むと心を決めるのは容易でない。そうした面でスリラー映画、「H(エイチ)」は韓国映画の中で珍しいジャンルに挑戦したという点で、意味のある試みだ。

しかし、この映画は緊張を場面ごとに設定しなければならないスリラーを上手に作るのがどれほど難しいかを見せてくれる。中盤部まで似たような事件が起きるだけで、ストーリの展開には穴が空かれ、投げ掛けられて当然の疑問と複線が漏れてしまう。

明るい表情のひとりの青年が、市警察署の事務室を訪れ、遺体の入ったバッグを投げて自首する。この青年は、6件の連続殺人事件を犯したシンヒョン(チョ・スンウ扮)。シンヒョンを捕まったが放したことがあるハン刑事(イ・アル扮)は、青年の突発な自首による衝撃を耐え切れず自ら命を絶つ。

1年後、婚外妊娠で子どもを身ごもった妊婦が残忍なやり方で相次いで殺される事件が発生する。被害者の特徴と殺害のやり方が1年前の、シンヒョンによる連続殺人事件と同じであることに気付いた刑事のミヨン(ヨム・ジョンア扮)とカン刑事(チ・ジンヒ扮)は、事件の端緒をつかむために、監獄に入れられているシンヒョンを訪れる。

収監中の連続殺人犯が事件の端緒を握ったまま、監獄の外で起きている殺人事件を操り、刑事が彼との心理戦を通じて事件を解決していくという点で、この映画は「羊の沈黙」と似ている。

しかし、対立関係にある両方の「気」が弱いのが問題だ。始終、禅問答のような書き言葉のセリフに徹するシンヒョンの気弱なカリスマは、監獄の外の殺人犯らがどうして彼を追従するのか首を傾げたくなる。目に力が入りすぎた厳しい表情に徹するヨム・ジョンアの演技も不自然だ。

映画の中盤部に突然現われる精神科医のチュ博士(キム・ソンギョン扮)は、シンヒョンの精神鑑定を受け持ち、監獄の外の殺人者らとつながりを持っている重要な役柄。しかし、おかしな笑みを浮かび続けることで、ストーリの展開上、重要な役割が損なってしまった。

18歳以上観覧可、19日封切り。



金熹暻 susanna@donga.com