「90点以上ですね」
プロ野球、ハンファのエース、宋津宇(ソン・ジンウ、36、写真)投手の妻チョン・ヘインさん(34)は宋選手が夫としてはどうかという質問に、まったくのためらいもなく高い点数を付けた。
「野球はよく分からないけど、そばで見ててセルフコントロールがとても上手だと思いました。真面目で周りの雰囲気に流されたりもしません。夫だけど、尊敬することもたくさんあります。」
10年間そばで見守ってきたチョンさんの評価は、プロ野球界で宋を見る目と同じだ。スポーツ選手が「いつも安定している」と言われるのは容易なことではない。しかし、宋選手はデビューした89年から今シーズンまでの14年間安定したプレーを見せている。球の威力や投球フォーム、強い勝負根性…
スポーツ選手によくあるけがもなかった。いや、なかったのではなく、けがを許さなかったと言ったほうが正確な表現かもしれない。「けがも選手次第」というのが宋の持論。人一倍体力管理に努め、十分な気を配れば、けがも避けられると考えている。宋はいったんマウンドに立つと完ぺきなプロになる。ストレッチの動作一つもおろそかにせず、ブルペンで球を投げる時も精神を集中しようと心がける。こんな宋だから、けがも避けて通ってしまうのだろう。
宋は「自分に与えられた練習の量をこなし、野球に対して愛着を持つことが大事な気がします。野球への愛情とでも言えるでしょうか。いやいや野球をするならば、どうせなら楽しくやったほうがいいじゃないですか」と言う。
14年間けがで休んだことのない宋があげた勝利は162(113敗)。今シーズン、昨年まで歴代最多勝利だった宣東烈(ソン・ドンヨル、146勝)の記録を塗り替えた。また、2250と3分の2イニングを投げ、歴代最多投球イニングも記録中だ。最多勝利と最多投球イニングは徹底した体力管理や実力で勝ち取った「勲章」だ。
10年以上野球界の最高投手として君臨してきた宋だが、皮肉にもゴールデングローブや最優秀選手(MVP)のトロフィーを手にしたことはなかった。92年史上初めて最多勝(19勝)と救援賞(17セーブ)を同時受賞したが、韓国シリーズでロッテを優勝に導いた新人のヨム・ジョンソクに譲るしかなかった。宋は「浮き沈みがなかったせいか、賞とは縁がなかった」と語った。
初めてゴールデングローブ賞を受賞した宋。宋は今シーズン36歳という歳にもかかわらず最多勝(18勝)と平均自責(2.99)2位にランクされたのに加え、歴代最多勝の記録まで塗り替え、意義深い一年となった。宋は「最高投手に与えられるゴールデングローブ賞は一度はもらいたかった。個人的にはこの上ない光栄です」と明るく笑った。
金相洙 ssoo@donga.com





