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[社説]不可侵条約より核放棄が優先

Posted October. 25, 2002 23:03,   

約束を破って隠れて悪いことをしてばれた場合、どうしなければならないか。過ちを謝罪し、状況を原状回復してから再びそんなことはしないと反省するのが、文明社会の常識であり道理である。25日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核兵器開発について、北朝鮮外務省が発表した談話は、そのような点からも常識と道理に合わないもので、まことにがっかりさせられた。

今回の危機の核心は、北朝鮮が米朝枠組み合意と南北非核化共同宣言の約束を破り、こっそりと濃縮ウラン方式の核兵器開発を行ない、その事実がばれるや仕方なく認めたことだ。危機解消に向けて、北朝鮮の核放棄宣言が優先されるべきだと韓国が幾度にわたって強調したのも、まさにそのためである。にもかかわらず、北朝鮮が、先に米朝不可侵条約を結べば、安保上の憂慮が解消される用意があると主張することは、本末転倒というしかない。

北朝鮮は、米国を脅威的な存在と考えるかもしれない。だからといって、北朝鮮の約束違反と核開発を正当化することはできない。米国の懸念は、北朝鮮の持続的な大量破壊兵器の開発と輸出、自衛水準をこえた強力な通常兵器であり、北朝鮮にも責任があるということを認識していないのだろうか。北朝鮮が本当に対話を望むなら、「先」不可侵条約「後」核問題解決に固執するのではなく、最少限順序を変えてもいいという誠意を見せなければならない。

停戦協定を平和協定にしようと主張する北朝鮮が、米朝不可侵条約を掲げたことにも留意すべきである。韓国をさしおいて、米国と核問題を協議するという意図が明らかであるからだ。核が民族の将来と直結した重大な脅威であるにもかかわらず、北朝鮮を非難せずに対話による解決だけを強調する政府が、このような「孤立」を招いたのだ。

政府は事態を直視して、あす開かれる韓米日3国首脳会談で、決然たる合意が導きだせるよう最善をつくさなければならない。いい加減な立場で、94年の核危機の時のように交渉のテーブルから外される愚を繰り返してはいけない。