3つの戦線を同時に維持する能力が、果して米国にあるのだろうか。
最近、米マスコミは相次いでこのような疑問を提起している。イラクと朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を地域戦線とすれば、アルカイダのテロはその戦線を世界に拡大している。インドネシアのバリ島からクウェート、フィリピンからモロッコなど世界各地で、時間と場所を変えながらテロが起きている。
米中央情報局(CIA)のテネット長官は、先週、議会に出席し「最近の状況は、テロ事件が起きる前の昨夏の状況に似ている」と証言した。
米誌ニューズウィークは最新号(10月28日付)で、テネット長官は、ホワイトハウス国土安全保障局のトム・リッジ長官に、国家テロ警報を黄からオレンジに上げ、警戒態勢を強化するよう提案したが断られたと伝えた。
警報を上げた場合、沿岸警備隊は港のパトロールを強化し、国税庁は航空機やトラック、貨物に対する厳しいチェックを行わなければならない。このように強化された警備態勢を続けるのは容易でないため、危険が差し迫っていることを知っていながらも、警報レベルを上げることができなかっという。イラクを攻撃するもなにも、もう資源の限界に来ていると、同誌は報道した。
さらに、タカ派を代表するニュート・ギングリッチ元下院議員も「イラクを攻撃した場合、国防・情報予算が国内総生産(GDP)の3%から5%に上昇する。ここまでして攻撃するかどうかについては、国を挙げての議論が求められる」と話したと、同誌は伝えた。
軍事力や予算より深刻に不足している資源は、大統領と参謀陣営の精神的・時間的余力を、同時多発的に展開される諸状況は、指導者の注意力を分散、消耗させている。
20日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米政府高官が「北朝鮮が核開発を認めてから12日間、ホワイトハウス状況室で行われた討論のテーマの一つは、米国が回路に過負荷を起こしているのではないかということだった」と話したと伝えている。米政府関係者は「複数の地域を同時に偵察できる人工衛星システムの構築を進めているが、世界を管理できるハイレベルの政策立案家は一握りにすぎない」と語った。
過負荷が致命的な判断ミスをもたらす可能性も否定できない。同紙は、同時に、ブッシュ政権は米国的な基準をもとに、世界を一度に再編できるチャンスと見ているとも伝えている。同紙は、歴史学者の話として「歴史を見ると、このように緊迫した状況で、最も創造的な外交が登場している」と伝え、その代表的な例として、第2次世界大戦後、ドイツと日本を同時に民主化に導いたことや、62年キューバのミサイル危機を克服した例を挙げている。
洪銀澤 euntack@donga.com






