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「ヒマラヤ、胸に刻んで帰ります」盲目の高1挑戦へ

「ヒマラヤ、胸に刻んで帰ります」盲目の高1挑戦へ

Posted October. 11, 2002 23:03,   

「私は心の目でヒマラヤを見るつもりです。そして、ヒマラヤをそっくりこの胸に刻んで帰ります」

10日午後、忠清北道忠州市(チュンチョンブクド・チュンジュシ)カグム面ガフン里の、チュンアン中学カグム分校に設けられた高さ8メートルの人工ロッククライミング訓練場。指導教師の指示に従い、手探りで安全なホールドを探そうと必死になっている生徒の、荒い息づかいが聞こえてきた。汗だくの顔で頂上にタッチして下りるまでかかった時間は2分あまり。切り立った岸壁を相手にしての腕前は、トップクラス並みである。

「いいぞ。ますます良くなっている…。あと体力さえ補えば今回の登山は問題ないはずだ」

チュンアン中学で体育を教えている金英植(キム・ヨンシク)教師から誉められた生徒は、嬉しさのあまりニコニコ顔になった。彼は目の不自由な全盲の、先天性第1級視覚障害者の朴洞熙(パク・ドンヒ、忠州聖母学校高等部1年)君。

彼が受けている猛特訓は、この冬、ネパール・ヒマラヤのピサンピーク(標高6091メートル)峰へのチャレンジを控えての基礎訓練である。ピサンピークは、7部稜線から切り立った雪壁と岸壁が続くため、一寸のミスがそのまま墜落事故につながる難所として知られる。

朴君は、金教師が遠征隊長を務める「ヒマラヤに挑むユース遠征隊」の一員として、ピサンピークの頂上にチャレンジする。遠征隊は、世界的な登山家のオム・ホンギル氏(40)をはじめ、10人の中高生が参加している。12月15日に出発、1ヵ月におよぶピサンピーク遠征に挑む。

「先生からヒマラヤに登ってみるかと勧められ、ちゅうちょせずにその場で志願しました。頂上に登ったとしても、広大なヒマラヤの光景を見ることはできないでしょうけれど、どうしてもチャレンジしてみたいです」

父親の朴柱熙(パク・ジュヒ、41、機械部品業)氏も、快く同意した。男3人兄弟の長男とは言え、障害をもって生まれた朴君を、もっと強く育てたかったからだ。

小学校4年まで朴君は、物の形を薄っすらと見分けることができたが、今では完全に視力を失ってしまった。ところが、鋭い感覚だけは誰にも負けない。彼は、音に頼ってボールを打たなければならない盲野球、盲卓球などの試合で、抜群の感覚を見せている。

朴君が在学している聖母学校は、カトリック財団が運営する目の不自由な人のための特殊学校。この学校の李性哲(イ・ソンチョル)教師は「朴君は、生まれつき明るい性格のため、終始笑顔を絶やさない。いつも自分より重症の障害をもつ友だちの手足となって助けているので『助っ人』と呼ばれている」と紹介した。

朴君は「僕がヒマラヤに行くと聞いて、友だちからうらやましがられた」と語った。

「早くヒマラヤ行きの飛行機に乗ってみたいです。心で見る、まぶしいほど美しい雪山は、きっと素晴らしいと思います」



straw825@donga.com