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「愛はIQでないない」 映画「アイ・アム・サム」

「愛はIQでないない」 映画「アイ・アム・サム」

Posted October. 10, 2002 22:48,   

親は子どもが自身より賢いことに気づく瞬間、満足感を覚えて幸せになる。

サムにその瞬間が訪れたのは、人より余りにも早かった。娘のルシーは、8歳になってから7歳のレベルの知能を持ったパパより優れていたからだ。

毎晩、娘にやさしい童話の本を読んであげたパパは、ある瞬間から娘に本を読んであげることができない。「先生が今度は難しい本を下さったね」。

映画「アイ・アム・サム」は、父娘の深い愛がじーんと伝わる映画だ。知能の低いサムは、1時間8ドルをもらってコーヒー専門店で働いている。彼の唯一の幸せは、ママから捨てられた娘ルシー。サムはルシーを連れて、自身と似た知的障害者の友人たちと一緒に水曜日には外食を、木曜日にはビデオを、金曜日にはカラオケに行って幸せに過ごす。

賢いルシーは、大きくなるにつれてパパが普通の人たちと「違う」ことに気がつく。ルシーは、パパの知能を上回るのを恐れるあまり、勉強に意欲を見せず、結局、社会福祉機関がサムの家を訪問することになる。サムは、知能が低くて養育能力がないという理由でルシーを福祉施設に取られる。サムは、養育権を取り戻すために弁護士を雇うが、利己的で俗物的な女性弁護士のリターは、同僚たちに自身の能力を見せつけるために無料でサムの事件を引き受ける。

「子女の養育に必要なのは親の愛だ」というの映画のメッセージだ。愛で堅く結ばれたサムとルシーの関係と、息子に物質的な豊じょうだけを与えるリターの息子ウィリーとの関係をコントラストさせることによって、知識が高いからといって、持てるからといって、それに比例して幸福が大きくなるわけではないことを見せてくれる。

この映画の2時間、観客たちは泣いて笑う。張り合いのある法廷攻防が続くクライマックスに比べて、結末が水っぽくなっているのが傷。胸温まるドラマジャンルの映画を期待する観客ならば観るに値する。

サム役の、今年アカデミー主演俳優賞候補に上がったショーン・ペンの演技は引き立って見える。ルシー役を演じたダコーダ・パニングは、幼い時期のデュル・ベリモアを思い浮かばせるくらい、ちゃっかりしていて愛しい。何よりも、映画を輝かせているのは、映画全編にわたって流れる珠玉のような「ビートルズ」の音楽だ。

サムは、IQが7歳のレベルだが「ビートルズ」の全曲を覚えているからだ。台詞とストーリの展開に合せて「ビートルズ」の歌が適材適所に登場する。ルシーが生まれた時、娘を懐に抱いていたサムの顔の上から「ビートルズ」の歌「ルシー・イン・ザ・スカイ・ウィッド・ダイアモンド」(Lucy In the Sky With Diamonds)が流れ、看護婦が赤ちゃんの名前を聞くと、サムは「ルシー」と答える。この他に「アクロス・ザ・ユニバース」(Across the Universe)「ブラック・バード」(BlackBird)など、ビートルズのヒット曲が出てくる。12歳以上。18日封切り。原題「I am Sam」。



康秀珍 sjkang@donga.com