
静かな山のすそにしっとりとした芝生とスズランなどの自生の花がまばらな野原。
京畿道坡州市條里面(キョンギド・パジュシ・ジョリミョン)オサン里の「自然美術学校」は、文字通り自然の中で美術を教える所だ。
設立者の朴鳳澤(パク・ボンテク)画伯(50)は、子どもたちが幼いときから学校と塾で図式化された教育にだけすがっている現象を悲しく思い、1999年1月、ここ一帯の1万2000坪余りの敷地で自然の中の美術教育に専念している。
ここには画室、陶器室、展示館、野外学習場、自生植物の散策路などが備えられており、年中美術が好きな子どもたちと家族の良き教育の場となっている。
2人の陶器工芸家と朴画伯をはじめ画家2人の4人の美術専門家が講師を務めている。
朴画伯は、「本を通してだけ花と木を見てきた子どもと、実際に目で見て触ってみた子どもたちの創意力には大きく差がある。体験を絵で表現するので教育効果が大変大きいと思う」と話した。
季節に対応した動植物を見せて、子どもたちにその感じを表現させるという。
夏の赤芽芋の葉っぱを傘代わりにしたり、草笛を作って吹いてみたり、セミになる前の幼虫の脱皮過程を見守りながら自然を体験していく。
朴画伯は、今週からはドングリを拾って絵で表現する授業を行っている。
子どもたちとともに山の裾野を歩き回りながらドングリを拾い、人は粉にしてジェリー状に固めた「ムク」という食べ物に使い、リスにはえさにする活用方法を教え、その味と香りを体験させている。
その後、ドングリをテーマに絵を描かせると、香りと味、形態、色合いなど、経験した感覚の中でひとつだけが目立った絵が描かれるという。
受講生は、大部分が週末を利用した子どもたちで、平日には主婦たちが足を運んでいる。教育プログラムは大きく一般と特別プログラムに分れている。
一般プログラムは、美術と陶芸部門に分れ、部門別に成人と子ども対象に細分化されている。
特別プログラムは、数十人から300人余りまで団体向けのもので、美術関連のワークショップを行ったり、団体で絵を描くプログラムが設けられている。
また、「1日体験学習」は、20人余りがグループになって午前から野生花の散策路を散策した後、絵を描いたり、陶器作りなどの体験をする課程になっている。
週末体験学習は、1泊2日で、やはり野生花散策路の散策や、絵描き、陶器製作などのプログラムで運営される。
1日体験学習の利用料は1万〜1万5000ウォンで、その他のプログラムは人数と細部日程によって多少差がある。
家族づれや団体のために宿泊施設と食堂も備えている。
週末にはここに小学校1年生の息子を送っているというチャン・ウンスク氏(38・女・京畿道高陽市一山区大化洞)は、「コンクリートの中で過ごしている子どもが、週に一回ではあるが自然を体験して、それを絵で表現しているので、性格も柔らかくなっているようだ」と話した。www.naschool.com 031—947—7462。
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