Go to contents

2万坪に広がる森のなかのキャビン  京畿道華城市のヨンドゥ里

2万坪に広がる森のなかのキャビン  京畿道華城市のヨンドゥ里

Posted September. 18, 2002 23:47,   

南陽(ナムヤン)湾の海を長くまとったような陸地の突出部、南陽半島。その南端の宮平里(クンピョンリ)は華城八景のひとつ「宮坪落照」の舞台だ。そして、ヨンドゥ里は東の方に隣り合っているこじんまりした素朴な村だ。

そこから遠くに見下ろされる南陽湾。洪盛原(ホン・ソンウォン)の小説「モンドン(明け方)」に登場するその海だ。1900年代初め、伝統社会の解体と外部からの侵略を受ける混乱期に南陽ソンジュ村の高官、金氏宅と下僕のソン・グンスル。この二人を軸に、同時代に我が民族が強いられた受難の歴史を描いた作品。その「モンドン」が「夕暮れ」の舞台で書かれたのは妙なアイロニーだ。

その海が、南陽湾が眺められるヨンドゥ里の丘の上。伝統屋敷型のペンション「本を読む家」がそこにある。南陽「洪」氏家の一族が100年も守ってきた家だ。周辺の森を含めて2万坪を超えるこの家は、ソウルで暮らす40代の家主が10年がかりで丹念に誠意を込めて手入れしてきた自分の生家だ。

骨格と外観はそのままにして、内部だけを手入れし、古めかしき趣が生きている。周辺の蓮池とあずまやと小さな芝生のグラウンド、鴨が遊ぶ池とガーデンパーティーができる芝生。茶の間に使う主人の座敷から障子扉越しに見える家の中の光景だ。

甕の台のある表庭。伝統様式の正門と塀で囲まれている。原木で建てた別棟(部屋2室、台所、シャワー場付)もそこにある。丁寧に敷かれた芝生の表庭は、バーベキューを焼くのに最適。敷地全体は2万坪余り。海が眺められる正面以外は森だ。囲いを設けて外部と断絶された森の中には、専用の散策路もあり、子どものためのキュートなキャビンもある

床暖房のオンドル石が敷かれた黄土オンドル部屋と麦飯石オンドル部屋、薪でくべる。池の辺の木陰にあるあまづや。広々とした居間の床。こじんまりした客間。普段読みたかった本一冊を手にするとよさそうだ。暫し着枕をして昼寝を楽しみながらだ。小説「モンドン」なら楽しさもより増すことだろう。森の岩の隙間から引っ張った泉水「乳泉」は、柔らかくてお茶を入れるとおいしい。ベーべキューグリルと炭は無料で提供。

京畿道華城市西新面(キョンギド・ファソングン・ソシンミョン)ヨンドゥ里

◆問い合わせ=016−333−9385、02−651−9385

◆部屋代=(1泊2日)、平日30万ウォン、週末35万ウォン。奥の間と台所を除いた別棟(部屋2室)と客間(部屋2室)。森の家(ワンルーム)。10人以内

◆地図をファックスで送ってくれる。



summer@donga.com