首相の人選が遅れているようだ。慎重を期することに対して何とも言えないが、国政の空白があまりにも長い。関係機関の有機的な協力と業務分担が求められる政府の災害復旧作業が、一糸乱れぬ形で行なわれていない原因のひとつが、首相不在という指摘も多い。にもかかわらず、大統領府は状況の深刻さを十分に承知していないようだ。
首相をしたい者は問題が多く、問題が少ない者は「厳格な」聴聞会に恐怖を感じているという大統領府の説明からして、安易な現実認識を露呈している。金大中(キム・デジュン)大統領の首相代理制の固執が国政空白の長期化の主な原因であるにもかかわらず、人選の苦情だけを言っているからである。責任をそのまま聴聞会に押しつけるような印象さえ与える。
もはや、首相代理を任命するのか首相権限代行を任命するのかという論争は、無意味に思える。首相権限代行を任命して国政の空白を最小化し、落ち着いて首相にふさわしい人物を探し出すのが合理的だという世論にもかかわらず、金大統領が意地を張りつづけているからだ。大統領府も国家信用度の下落と国政混乱の可能性を取り上げ、張大煥(チャン・デファン)前首相代理への承認のために国会を圧迫していた時とは違って、最近はそう急いでいるようには見えない。
このため、金大統領はややもすると首相なしに残りの任期を終えようというのではないか、という疑問さえも生じる。首相不在状態が2カ月近く続いても、別段の不便を感じていないようだからだ。
しかし、これは危険な考えだ。大統領権限代行権、閣僚の任命権、閣僚の解任建議権、国政行為文書の副署権、首相令制定権など、首相の憲法上の権限は非常に重要である。首相の権限は、平時よりも非常時に各別の意味を持つ。そして政権変動期は非常時のような姿勢が必要だ。まもなくデンマーク・コペンハーゲンで開かれるアジア・ヨーロッパ首脳会議(ASEM)に出席するために、金大統領は20日から26日まで国をあける予定だ。首相不在状態を早急に解消しなければならない。






