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[社説]金大統領の状況認識に問題あり

Posted July. 15, 2002 23:18,   

金大中(キム・デジュン)大統領は、きのうの懇談会で、息子たちの不正疑惑に対する情報を事前に受け取ることができず遺憾だとしながら「親戚や姻戚に対する厳重な監視があるべきだ。その点に抜かりがあり、反省している。現在、具体案づくりを指示しており、近日中にこれを具体化させるつもり」だと語った。

しかし、金大統領のこのような話を聞いた国民が、うなずけるかについては非常に疑問である。

大統領の2人の息子が、あらゆる不正疑惑で逮捕された今になって、厳重な親姻戚監視対策を具体化させるというのは、余りにも遅れた感がする。息子たちの不正について、事前に情報を受け取っていないという話もまた、国政の最高責任者として無責任といわざるを得ない。実際、事前情報がなかったとすれば、国政運営体制に深刻な隙があったということであり、事前情報があったにもかかわらず、大統領に報告されていないとすれば、これまた国政が空回りしたということになる。

さらに深刻な問題は、果たして事前情報がなかったのかということに対する疑問である。三男の弘傑(ホンゴル)氏の場合、彼の米国にある豪華住宅は、すでに2000年春に明るみになっている事実。豪華住宅を暴露した元野党議員との間で、2年近く訴訟が続けられており、その過程で大統領府の秘書官が介入して、巨額の合意金を渡している。いわゆる「崔圭善(チェ・ギュソン)ゲート」と関連し、元国家情報院第2次長自ら大統領府に報告したという根拠さえある。次男の弘業(ホンオプ)氏は、前・現職の国家情報院長から「寸志」まで受け取り、国政を独り占めにしては、数十億ウォンのカネをものにした。

こうした状況の中で、大統領が事前情報がなかったために、息子たちの不正に手がつけられなかったとすれば、果たしてどの国民が常識的に納得できるというのであろうか。結局、金大統領は、未だに現実の厳しい状況を認識できていないようだ。今は、政権ぐるみの構造的不正について、国政の最高責任者が責任を痛感し、腐敗の根源にメスを入れる、具体的な手術を行う時である。残る7ヵ月の任期中、大統領として最優先すべき課題である。