ウォンが1ドル1300ウォン台から1100ウォン台になったことを受け、主要大手企業は為替管理のための非常体制に突入した
15日、産業界によると、輸出入の多い電子、自動車、鉄鋼、造船、石油化学などの会社は、ウォンが1100ウォン、1150ウォン台になることに対するシミュレーションを行い、その対応策作りに乗り出している。また、短期的な為替取り引きを通じてリスクを分散(ヘッジ)するのにとどまらず、全社的な為替管理プログラムを導入するなど、常時システムを構築している。
▲大手企業の下半期経営実績に赤信号〓1日平均700〜800件の為替取り引きを行う三星(サムスン)電子は、ウォンが年間100ウォン高くなれば、売り上げが約2兆ウォン減ると予想している。LG化学は、80ウォン高くなれば、年間営業利益の5%に当たる約240億ウォン減るという。稼いだドルをウォンに換算すれば、ウォン高の分だけ、金額が減るためだ。
そこで、三星電子は今年は、ドル安に備えてユーロ建て決済の比重を昨年の2倍である全体の20%台まで増やしており、各海外法人は、ドルと現地通貨の割合をそれぞれ50%で維持している。LG化学は、今後2〜3年間の為替レートの変動に備え、先月1億2000万ドルの変動利付債(FRN)を発行するなど外貨建て借入金を増やした。
起亜(キア)自動車は今年になって、財務チームから10人の国際金融チームを分離しており、全役職員の事務室にリアルタイムの為替レートを表示する電光掲示板を設置した。現代(ヒョンデ)自動車は、国際金融チーム、輸出入関連チーム、財務チーム長からなる「リスク管理委員会」を設けている。
▲全社的に為替管理プログラムを導入〓鉄鋼業界や造船業界も為替管理に積極的な姿勢を見せている。大宇(テウ)造船は、為替レートの乱高下に対応し、船の受注契約を締結した後、建造代金を全額先物外為にヘッジングした。また、為替管理規程を社規に明記し、為替業務チーム、資金チーム、営業企画チームなど5つの核心部署の実務者からなる「為替管理タスクフォース」を作り、毎月、経営陣に業績を報告するようにしている。
東国(トングク)製鋼も主要役員からなる「為替リスク管理委員会」を新設しており、為替関連指標をリアルタイムで確認できる為替管理専門プログラムを導入した。
▲企業の体質強化〓各企業は、ウォン高が続いても競争力を高めることができるよう、企業の体質強化に努力を傾けている。現代自動車は、中国の東風汽車集團などとの合弁を通じて、中国工場の拡大を推進すると同時に、今年下半期からは、ヨーロッパ向けのマーケティングを強化し、販売ルートを整備することで、輸出先の多角化をはかる計画だ。為替レートの変化に応じて輸出単価をあげることは難しいため、高価・高収益車の輸出と、ユーロ建て決済の比重を増やしている。






