29日にあった西海(ソヘ)での銃撃戦は、全世界の耳目が集まったW杯が大詰めを迎える時点で、しかも米朝対話再開に向けて雰囲気が成熟しつつある時点での挑発だったことから、北朝鮮の狙いについて様々な見方が出ている。とくに99年の西海での銃撃戦とは違って、北朝鮮側が対峙状況の初期段階で先制発砲を行ったことから、意図的な面が濃い、というのが政府と軍当局の見方だ。
政府は、いったん、今回の銃撃戦を性格を規定づけることに及んでは慎重な態度を見せている。任晟準(イム・ソンジュン)大統領外交安保首席秘書官は、今回の事態の背景について「国家安全保障会議(NSC)で討議があったが、その内容を公表するのは適切でないと思う」と述べた。まだ、北朝鮮の真意が十分に把握されていないことを裏付けた。
しかし、政府当局は、内部的には緊張している雰囲気を隠せない。まず、北朝鮮は、今回の銃撃戦で、韓国のW杯ムードを損ねる狙いが少なくなかった、というのが政府側の分析だ。韓国がW杯を通じて、国際社会でのイメージを改善している間、北朝鮮は相次で国境を越えている北朝鮮住民(脱北者)問題で国際社会での威信が大きく失墜した。これに対する軍部など北朝鮮の一部の強硬派勢力の不満が、銃撃戦挑発という形で噴出した可能性も排除できないというもの。
99年の銃撃戦当時に恥をかいて問責まで受けた北朝鮮軍部が、仕返しのつもりで挑発した可能性もなくない、という見方も出ている。
北朝鮮は、今回の銃撃戦は韓国側が先に攻撃してきたと主張した。このように後で責任を転嫁する従来の態度を見せていることから、北朝鮮との関係改善なくしては「韓半島の平和維持」は不可能であるという点を再三認識させ、今後の南北関係で有利な立場を占めようとした、とする見方もある。
さらに米朝対話を前にした状況で、米国に向けた計算された行動の可能性もなくない。北朝鮮は過去にも各種の会談を前にして、南北の不安定な状況の根本的な理由が在韓米軍に駐屯にあると主張してきたが、今回もそうした「こじつけ」的な主張を繰り返してすための布石だった可能性もある、という分析だ。その一方で、米朝対話を前にして、ブッシュ政権が提示してきた各種の議題への対応で悩んできた北朝鮮が、米側の議題を拒否するための口実をつくるため挑発を敢行した、という観測もある。
北朝鮮専門家の一人は、「米朝対話を控えて、ブッシュ政権が見せている否定的な態度に対して、北朝鮮として負担を感じたかも知れない。しかし、北朝鮮も、これまでに米朝対話を準備してきたし、一種の混乱状態に陥っているのではないか」と述べた。
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